こんにちは!
薬剤師、不妊カウンセラーの土屋幸太郎です。
だいぶ雪が溶けて春めいてきました。今日の昼休みの風景はこのようでした。
さて今日はヤフー知恵袋に私が回答させて頂きたいと思います。テーマは生理前の不調、PMSです。
生理前の不調(PMS)で辛いです。 漢方薬を試してみたいのですが、市販の薬と病院の薬は効果が異なりまますか?
漢方でよくなった方、効果があったものなど教えてくださいm(__)m
症状は、生理前に情緒不安定、涙もろい、イライラ、集中力低下、判断力低下、自信喪失、不安な気分、引きこもるなど…。
ちょっとしたことがストレスになりやすいくなるので、人間関係のトラブルになります。。生理直前になると、生理痛で寝込んでしまいます。
腰痛、下痢、便秘、身体の冷えも辛いです。
現在、生理の前1週間は体調も精神もダメになるので、その期間は仕事にならないので不定期な仕事を選んでいます。あとは在宅の仕事をしています。 …大事な約束はなるべく生理前を避けたいため、予定を立てるにも生理に振り回されてしまいます。
毎月、PMSではない時期は身体も動いて生活できるもですが 生理前になると集中力もなくなり、思考もぶれるので、一気に作業が進まなくなります。 思えば中学生の頃からずっとこういうパターンです。。
毎月波があるので、一つのこと安定して続けることができないため悲しいです。 これまでも、食生活にきをつけたり、婦人科でピルや安定剤を頂き飲んだり、漢方薬も試し…その他サプリメントや栄養ドリンクも飲んでいます。 ピルは効果があり3年くらいのみましたっがずっと飲み続けることに抵抗が出てきて、漢方薬をじっくり試してみたいと思いました。
今、腰にホッカイロをあてて横になってしまっています。。
正直いろいろなことを試してやってきたので、改善策は諦め掛けていますが、、(−_−;) やはり辛いのでどなたか改善方法を教えてください。
文章もまとまっていなくてごめんなさい。。涙。
「月経前症候群(PMS)と漢方療法」
生理前の不調(PMS)はお辛いことと思います。私は中医学で不妊症の子宝漢方をおもに普段から勉強、実践していますが、不妊症で悩んでいる場合にも月経前緊張症のPMS,イライラがひどくて悩まれている方も多いようです。
以前に月経前緊張症、PMSの勉強会で私が勉強したことの紹介です。
結婚8年目。38歳。分娩1回。人工授精3回。HCG注射もして排卵を誘発しています。2人目不妊です。
月経:月経周期は乱れています。バラバラで少し早めに月経が来ることが多いです。
生理7~8日間、月経の経血量は多いです。
経血の色は暗紅、 血塊あり、生理痛軽いです。生理痛は以前はひどかったそうです。
(月経周期がバラバラで、たとえば28~35日周期で毎回、 妊娠に必要なタイミングの排卵日や生理予定日が乱れることは肝欝気滞(かんうつきたい)といってストレス性のものが多いと言われています。)
帯下(おりもの):排卵期のおりものは少なめです。
(排卵期のおりものは、子宮頚管粘液を表します。 少ないときには卵胞の発育が悪い場合があり、中医学、漢方的には陰血不足(いんけつぶそく)と考えます)
全身症状: 腰痛、寒がり、冷え性、尿が近い→これらは陽虚(ようきょ)といって体を温める火が弱いことを示します。
便秘と下痢を繰り返えします。
不眠不安、イライラ、肩こり、 月経前下腹部と乳房張痛の月経前緊張症、PMSの症状があります。→肝欝気滞(かんうつきたい)
舌 淡紅、歯痕(しこん)あり
(注:歯痕とは舌の周りに歯型が付いていて、舌の横がギザギザしていることです。 胃腸が弱かったり、浮腫みやすかったり、疲れやすい、息切れ、風邪ひきやすいなどあります)
生理前にとてもイライラして、月経前症候群(PMS)がひどいです。
基礎体温は、犬歯状(けんしじょう)でギザギザが強いです。
「ギザギザの犬歯状の基礎体温」はプロラクチンが高かったり、 ストレスが強いことが多く、生理前にイライラしたり胸が張ったりしやすいです。
…… この勉強会の中で私が強く印象に残ったことをまず述べます。 PMS(月経前症候群)は、 精神的に「ああ、また生理が来るので妊娠できなかった」という気持ちの落胆や 落ち込みなども影響して、余計に症状がひどくなる。とのことでした。 ですから、当店でもお客様と相談して 「残念ながら生理が来てしまい、撃沈してしまいました」とか 「生理が来ると思うと憂鬱になります」というコメントが多いのですが、 私もこの勉強会ではメンタル面も大切なんだなあ~と思いました。
実際に、生理前のイライラや胸の張りなどの PMS(月経前症候群)が楽になって妊娠されているかたもいらっしゃいます。
ストレスが強く影響していることもPMSの背景にありますので、 精神的なカウンセリングも有効とのことでした。 …… では、本題の月経前緊張症、PMSに関して述べていきましょう。
PMS(Premenstrual Syndrome)とは 月経の前になると、体や精神的および行動などの面において種々の症状が定期的に繰り返される。
1)同じような症状が周期的に起こっている。
2)高温期の後半の月経前に起こる。
3)症状が重い。(日常生活に支障が出ている)
たとえば、生理前に仕事でミスをしたり、仕事をしたくなくなったり、 周囲の人と喧嘩をする、子供にあたる、などの異常な行動。
月経前緊張症、PMSの全身症状
頭痛、下腹部痛、むくみ、胸悶乳房張痛、吐き気、めまい、 脱力感、息苦しい、のぼせ、食欲旺盛、動悸、肩こり、肌荒れ、ニキビ、腰痛、ほてる、耳鳴りなど。
月経前緊張症、PMSの精神症状
イライラ、怒りっぽくなる、憂鬱、不眠、不安、緊張しやすい、何でも気にする、 集中力低下、物忘れ、考えが止まらないなど。
月経前緊張症、PMSの行動の異常
仕事に通常ないミスが増加、身内の喧嘩、引きこもる、突然泣き出すなど。 ……
PMSの病因病理 西洋医学ではまだ完全に解明されていないが、
1)卵巣ホルモン E2/Pののアンバランス (プロゲステロンが低い人に出やすい。プロゲストロンは「陽」。 エストロゲンが多すぎてもなりやすい。エストロゲンは浮腫む。「陰」。 また男性ホルモン↑、プロラクチン↑)
2)中枢内分泌の異常(ドパミン、ペプチドなど)
3)微量元素やビタミンの欠乏(カルシウム、リン、銅など)→自律神経が不安定 4)精神的ストレスが関わっているという説がある。
女性の生理特徴 「女性は血(けつ)をもって本となす」
女性は、生理のリズムを整えることが肝心。
「血少気多(けっしょうきた)」 血(けつ)が不足がちで、気が余りやすい。
つまり、自分のことや主人のこと、子供のこと、実家の両親のことなど、 心配事が多岐に渡る。 なおかつ同時に、精神のメンタルや体を支える物質的基礎となる「血(けつ)」が 慢性的に不足気味です。
月経前緊張症、 PMSのおもな漢方の中医学的な病因
陰血不足または陰虚及陽(脾腎陽虚)、肝腎不足 →肝気鬱滞(かんきうったい)→化火(かか)、淤血(おけつ)、痰湿(たんしつ)
基本病理: 心肝気鬱(しんかんきうつ)(化火、痰湿、淤血)
関連臓腑:心、肝、脾、腎 肝欝(かんうつ)のほかに心と脾と腎を考える。
1)肝欝気滞(かんうつきたい)
月経前緊張症、PMSの症状→月経不順(不定期)、月経前胸悶煩躁、怒りやすい、乳房張痛、下腹部張痛、食欲不振、舌質やや赤
治則→疏肝理気(そかんりき)
漢方薬の方剤→星火逍遥丸、炒麦芽、開気丸
加減応用→ 肝欝化火(かんうつかか):頭痛、めまい、煩熱、ほてり、口苦、乳首が痛い、便秘気味 →加味逍遥散
2)血虚肝旺(けっきょかんおう)
月経前緊張症、PMSの症状→月経先期(早まる)、量が多く、小さな血塊があり、月経前後頭痛めまい、 煩躁不眠、乳首疼痛、腰痛、あるいは月経後めまい、耳鳴り、動悸、舌裂紋など 治則→磁陰柔肝(じいんじゅうかん)
漢方薬の方剤→杞菊地黄丸、瀉火補腎丸、七物降下湯、芍薬甘草湯
3)脾腎両虚(ひじんりょうきょ)
月経前緊張症、PMSの症状→月経遅れがち、色淡紅、血塊(-)、月経前浮腫み、睆腹張満、 食欲不振、ガスが多い、下痢気味、体が重だるい、腰痛、煩躁、 あるいは乳房張満、白膩苔、歯痕
治則→健脾補腎(けんぴほじん)
漢方薬の方剤→参茸補血丸、牛車腎気丸、衛益顆粒など
月経前緊張症、PMSに関しての補足:
私のノートより 基礎体温は睡眠時間6時間は必要。
基礎体温のバラつき→疏肝(そかん)と健脾(けんぴ) 健脾が必要。
麦芽を炒ったもの→健脾と疏肝作用があって使いやすい。
以上、総論になりましたが月経前緊張症、PMS。不妊、2人目不妊などで生理前についイライラして主人と小さなことでも口喧嘩になってしまったり、子供をきつく叱りつけて自分を反省している方、土屋薬局まで漢方相談お寄せください。