「女性のための漢方レッスン」の6回目です。
(主催者の許可を得て撮影しております。きちんと取材用の腕章も付けました)
今回は、陳先生に引き続きの河野康文先生の講演の紹介です。
私は、じきじきに教えてもらっていましたので、「師匠」にあたります。
人柄がほんとにいい先生です。
さて、河野先生からは「周期療法」についての分かりやすい説明がありました。
河野康文 先生 「女性のための周期療法」
1)現在、不妊症で悩むカップルはたくさん多い。
統計によると、7組に1組は不妊症。
「不妊症周期療法」は、女性の健康管理にも良い。
周期療法は、今から50年前に西洋医学と東洋医学をドッキングさせ、不妊に悩 むカップルに大きな恩恵となっている。
考えかたは、基礎体温などのホルモンバランスの変動をもとに、中医学の考え方を当てはめたもの。
2)月経のしくみ
視床下部→下垂体→(卵胞刺激ホルモン)→卵巣
卵巣は、「すもも」くらいの大きさで、原始卵胞がたくさん入っている。
卵胞からは、エストロゲンが分泌され、エストロゲンがでると、子宮内膜が厚くなる。
月経後の時期、つまり卵胞期は女性にとって良い時期。
自信があって、安定感がある。
エストロゲンは、動脈硬化の予防にも良い。
そのために狭心症などの生活習慣病になる確率は、男性より少ないし女性は男性よりも、エストロゲンのお陰で平均寿命が長い。
しかし、エストロゲンが過剰だと、子宮筋腫やガンなどにもなりやすいという欠点もある。
卵胞は、およそ2cmになると排卵。
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卵胞は黄体に替わり、プロゲストロンを分泌。
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基礎体温も0・3~0・5度くらい上がる。
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プロゲステロンでさらに内膜が厚くなる。
受精卵は、古い内膜には着床しないので、毎回新しい内膜を作る必要がある。
つまり受精卵は少しわがままで、この行為が「月経」と呼ばれているもの。
「周期療法」
中医学理論+西医の月経分泌理論をドッキングさせたもの。
○卵胞期→陰血の増殖期
卵胞期はとても重要な時期。
周期療法では、補腎薬と養血薬を使っていく。
周期が長い人は、卵胞期が長い。
卵胞を育てるパワーが足りない。
睡眠が重要…睡眠は卵胞を育てる。
たとえば、日本橋のお客さんは、薬は高いものをたくさん飲んでいるのに、睡眠は不規則で夜更かしです。
卵胞の発育は夜の「陰」の時期ですから、薬をきちんと飲んでいるのに睡眠できてないのは、無駄になります。
ある意味、睡眠は薬より重要ね。
当店で月に1回漢方相談会を実施している何(ふー)先生も、睡眠指導をしていますが、山形のかたは寝るのが早くて素晴らしいとおっしゃっています。
先日も話を聞いたら、「東京の人は、学生時代から寝るのが夜の1時、2時で、OLになってもその生活を続けているので、みんな生理不順になっているのよ」と言っていました。
「卵巣嚢腫と冷え性の話題(生理時の養生法)」も参考にしてくださいね。
○排卵期
温養活血、排卵促進。
ムードつくりも大切。
○黄体期(高温期)
陽気の増殖期。
温補腎陽。
○月経期
活血排卵促進
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うまくいかないと
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生理痛
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次のステージの「卵胞期」に悪い影響となる。
「周期療法」は、身体づくり。
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女性の体がもつ本来の力を引き出す。
自然な妊娠しやすい体をつくる。
周期療法→月経のトラブルをとる。
生理痛、周期の乱れ、周期が長いこと、周期が短いこと、黄体不全、PMS(怒りっぽい、食欲ないなど)
漢方は食事の延長
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生理が乱れる
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生活習慣の乱れが関係している。
今回で、第一部と第二部の中医師の先生のお話は終りで、次回からは「ゲストトーク」になります。
(主催者の撮影許可をもらって会場を撮影しました)