だいぶ間が空いて、月日は流れましたが、婦人科の漢方や頭痛や肩こり、神経痛においても、活血化淤(かっけつかお)の重要性は変わらず、日増しに私の漢方の中では、重要な位置を占めるようになっています。
最近、医療関係の専門職の先生から、「私の子宮腺筋症が西洋医学では切除するしか方法がないのに、ここまで漢方で手術をしなくても済んでいることは、凄いことです」と嬉しいコメントを頂きまして、やはり活血化淤(かっけつかお)の方法はとても大切だと再認識しているところです。
さて、「周期療法における活血化淤の応用」を進めていきます。
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A)周期療法における活血化淤応用の基本原則
1)機能性不妊は周期療法をベースに活血化淤を、おもに月経期と排卵期に使う。
○月経期→去淤生新(きょおせいしん)
生理は排泄だから、排泄を促進して新しいものが生まれるようにする。
子宮内膜をスッキリと排出して、次のステージの排卵に備えていく。
○卵胞期→補腎養血(ほじんようけつ)
補腎(ほじん)と補血養血(ほけつようけつ)で、卵胞を育てていく。
畑に種を蒔くような時期で、睡眠も大切です。
夜は11時ごろにはお休みになって、質の良い卵が育つようにします。
午後11~午前2時ごろは、女性ホルモンの分泌が良くなります。
○排卵期→補腎活血(ほじんかっけつ) 去淤生新(きょおせいしん)
スムーズに排卵すれば、淤血(おけつ)がとれる。
排卵をスムーズにするには、気の巡りを良くしたり、血液の巡りがスムーズになるようにする。
妊娠しやすくするための方法。
○黄体期→補腎温陽(ほじんおんよう)
補腎(ほじん)して、高温期を保つ陽気のエネルギーをアップしていき、妊娠しやすくする。
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B)周期療法における活血化淤の基本原則
2)器質性不妊は活血化淤を中心に周期の変化を考慮して加減することが多い。
たとえば、子宮筋腫、卵巣嚢腫、PCOS、子宮内膜症、子宮腺筋症、内膜が薄い、卵管癒着、卵子のピックアップ障害、抗リン脂質抗体陽性、月経痛、慢性腹痛、周期性頭痛など。
淤血(おけつ)の病理特徴によって、理気活血(りきかっけつ)、温経散寒(うんけいさんかん)、活血(かっけつ)、化濁(痰湿)去淤通絡、温陽理気活血(うんようりきかっけつ)および化淤消腫散結(かおしょうしゅさんけつ)などの方法を選択する。
子宮内膜症|不妊治療と漢方薬こちらも参考になりましたら、幸いです。
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C)周期療法における活血化淤の基本原則
3)原因不明の難治性不妊、またはホルモン療法中治療後の方は、器質性不妊に準じて活血化淤(かっけつかお)を使う。
4)活血化淤は瀉(しゃ)の方法であるため、年齢、周期、体質体調などを考慮して、方剤および使用量を加減し、また、補腎益気養血(ほじんえっきようけつ)などと併用することが重要。
○年齢が40歳を超えている。
○35歳前後だが、不妊治療を5年しても妊娠できない。
治療暦が長い場合には、淤血(おけつ)の存在を考慮する。
○活血剤は、消耗も考慮する。
<2007年8月11日 我が家の朝顔>
<夏水仙、大きくなりました>
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「子宮内膜症、子宮腺筋症でしたが漢方のおかげで妊娠出産」 こちらのコラムも参考になりましたら、幸いです。