ブログ版土屋薬局 中国漢方通信

土屋薬局ブログ。薬剤師・不妊カウンセラーの土屋幸太郎がお届けします。私自身、不妊体験を経て、漢方療法の力で子供に恵まれました。その経験を活かし、皆さんに健康で幸せな家庭を築くお手伝いをしたいと思っています。薬局には女性薬剤師も在籍し、気軽にご相談いただけます。健康に関するお悩み、不妊治療、妊活相談、痛みやしびれに関する漢方相談など、お気軽にご連絡ください。お問い合わせやご予約は☎️ 0237470033までお願いします。一緒に幸せな未来を築きましょう。

生殖補助医療の有用性と限界

おはようございます。

 

薬剤師、不妊カウンセラーの土屋幸太郎です。

 

今日は、茅場町のホテルから更新しています。

 

 

昨日の平成20年5月17日に鉄鋼会館で京都の足立病院不妊治療センター副院長であり、京都大学医学部非常勤講師の婦人科医・中山貴弘先生の講演を聞くチャンスに恵まれましたので、復習の意味も重ねて、このブログに書いていきたいと思います。

 

 

昨日の講演は、16時に始まって、18時半まで続くという、実に熱の入った講演会でした。

 

 

また打ち上げ会を近くのお店で開いたのですが、通常は私は講師と離れたところに座ることが多いのですが、なんとその離れた私の席の隣に、中山先生が座り、一緒にお話できるという幸運にも恵まれました。

 

 

気さくで明るくて、熱心で素晴らしい先生でした。

 

 

生殖補助医療の有用性と限界のスライド

 

 

先生によると、山形大学医学部婦人科は不妊治療でとっても有名だそうです。

 

 

また私の友人に、弘前大学医学部の婦人科医もいるのですが、弘前大学も頑張っているのだそうです。

 

 

その婦人科医の友達にも先生からよろしくと言われましたので、この場をお借りしまして、伝えておきます。

 

 

 

 

○本邦における不妊症の現状

 

1年以内に約80%のカップルが妊娠し、2年以内に約90%のカップルが妊娠にいたる。

 

残りの10%はその後の自然妊娠率が低い。

 

 

○治療を受けているカップル数は増加している。

 

1999年 28万5000組

 

 

2003年 46万7000組

 

 

 

 

ヒトは解剖学的に妊娠しにくくできている!

 

 

妊娠率は約20%/排卵日の性交

 

卵管に卵が入りにくい。

 

 

動物と違って、いつでも性交ができるヒトは、人口が増えすぎないように、作られているのではないか。

 

 

 

 

不妊の原因

 

精子が卵管に届かない。

 

 

○受精の場所

 

受精の場所である卵管に充分な数の運動精子がない。

 

 

○バリアー

 

頚官粘液不良、抗精子抗体陽性、充分な数の運動精子がない。

 

 

排卵のときだけ、頚官粘液が増える。

 

卵子が熟しているときだけ、頚官粘液が増える。

 

黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されると、頚官粘液がピタッと止まる。

 

 

 

 

治療方法は人工授精(AIH)です。

 

頚官をバイパスして、子宮腔に精子を注入する。

 

 

 

不妊の原因

 

卵子が卵管に届かない

 

 

○排卵しない

 

○卵管采周囲癒着

 

○間質部閉鎖

 

○峡部閉鎖

 

○卵管膨大部閉鎖

 

 

原因→クラミジア感染、子宮内膜症

 

 

卵管因子に対する治療

 

子宮卵管造影、通水法

 

※治療効果には限界があります。

 

 

卵管鏡下卵管形成術(FT)

 

FTカテーテル

 

卵管閉塞部

 

クラミジアなどで詰まっていることが多い。

 

FTカテーテルは、先端がバルーンになっていて、詰まっている卵管を広げる。

 

 

FTカテーテル後の妊娠率

 

(足立病院不妊治療センター)

 

妊娠成立 43%

 

妊娠せず 57%

 

 

費用の比較

 

IVF-ET 30万 保険適応 なし

 

FT 16万 保険適応 あり

 

 

FTの方法は、IVF(対外受精)をしたくない患者さんには、とても喜ばれる。

 

 

 

 

ここからは、昨日の懇親会で、中山先生や全国の有名な漢方薬局の先生、そして劉先生とお話をお聞きして、割り箸の袋にメモしておきましたので、無くさないようにアップしておきます。

 

 

○ET(移植)するときには、E2(エストロゲン)が高いと着床率が落ちる。

 

5000ピコ↑でその周期はキャンセルする。

 

 

○受精卵は白血球が認識する。→妊娠成立のときには、白血球数が増加して、1万を超える。ときには1万5千になるときもある。

 

 

○施設を選ぶときには、ヒステロファイバースコープ(子宮鏡検査)、体外受精での凍結胚移植がやれるところが良い。

 

 

○精子は魚のようなもので、精液は海。

 

パーッと、射精された精子は上がっていく。

 

 

○胚盤胞は、たとえば、この居酒屋の机の上にピタッと付いたり、シャーレにもくっつく。

 

それが妊娠しない人の場合、あのように環境の良い子宮内膜に付かないのは不思議。

 

 

○先生の年齢を聞いてすごく若く見えるのでビックリしたので、その秘訣をお聞きすると、「気が若いと、若いままでいられる」そうです。(笑)先生の上司も、若々しい先生がいて、気が若いそうです。

 

 

以上が、中山先生談です。

 

 

次に、漢方の先生たちの貴重な体験談をアップします。

 

(酒場のときのほうが、講演会よりも有用な話になることが多いので、不思議です)

 

 

○参馬補腎丸→排卵が早い人に良い。収斂作用があるから。

 

また流産防止にも。

 

 

○IVF3回失敗したら、クリニックを替えたらどうか。

 

 

○高温期の活血は、田七人参。

 

低温期は水蛭。

 

劉先生の体験では、排卵障害に爽月宝、水快宝、補中益気丸が効果があった。

 

 

○子どもの喘息には、双料参茸丸が良い。

 

6歳くらいの子どもだったら、1日1丸をかじると治りやすい。

 

 

以上です。

 

今日もスクリーングで研修を受けてきます。

 

みなさま、どうぞお元気で!

 

 

生殖補助医療の有用性と限界(2)」に続きです。