こんにちは。
薬剤師、不妊カウンセラーの土屋幸太郎です。
一昨日の深夜に長崎から山形に帰ってきて、溜まっている仕事と奮闘中です。
4日間の穴は大きいようで頑張っていますが、今朝はなんと初雪を体験してしまいました。
今日は日中も「ボタ雪」状態で、いよいよ冬将軍の到来のようです。
長崎では半袖Tシャツでも街を歩けたのに。
日本は東西に長い国だということを身をもって体験しています。
でも不思議に寒さがあまり気にならないことは、私も「北方の人間」なのでしょうか?
さて、本題に入ります。
○2008年8月
30代の女性のお客様です。
お子様を希望されています。
2006年の秋から不正出血が続いています。
検査では問題がありません。
生理でない日もごく少量の出血が続いています。
ナプキンについたり、トイレでティッシュについたりします。
生理の周期は、28~50日くらいで、生理は3~7日間です。
そのときの私のメモは、
1)BBT高め
2)ギザギザが多い犬歯状
3)排卵が遅め
多分、推測するに低温期が長い不正出血のあるタイプで卵胞発育不全ではないか?
と自分で考えました。
漢方は、2種類の漢方薬。
1)養血調経(ようけつちょうけい)
2)疏肝理気・活血化淤(そかんりき・かっけつかお)
○2008年8月
32日で生理が来ました。
今のところ不正出血はありませんでした。
お肌の状態も良くて、ブツブツが出なくなりました。
肩こりがもう少し楽になりたいです。
とくに生理痛はありません、生理前は穏やかに過ごせました。
漢方は同じ漢方薬。
○2008年9月
今回は42日生理周期で、生理前に微量の不正出血がありました。
生理の1週間前から重苦しい感じ、お腹が張るような感じ。胸の張り。
生理痛はほとんどありません。
食欲あります。
漢方は処方変更です。
1)養血調経
2)麦芽を炒ったもの
3)補腎陽(ほじんよう)のロウ丸の食べる漢方薬
○2008年10月
生理後2~3日は微量の不正出血がありました。
今は治っています。
漢方は、同じ処方ですが服用方法を工夫することにしました。
○2008年11月
32日周期で、生理は5日間です。
前回あった生理前後の不正出血はありませんでした!
お陰で生理がハッキリと分りました。
おりものは、以前は多かったり、茶色っぽい感じが続いていたが、本来の通常の感じに戻りました。
黄体ホルモンの注射を打っているときも不正出血があったので、嬉しいことです。
生理痛は無かったが、肌荒れと生理前の重苦しさはありました。
基礎体温は、今まで高めだったのが落ち着いてきました。
冷え性ではありません。
漢方は、同じ処方を続行です。
ということで、今後の良い結果に向けても頑張って漢方相談をさせて頂いている今日この頃です。
…
<漢方の先生から一言>
生理前後の不正出血でお悩みのかたは多いものです。
中国人の漢方の先生の体験談もよく聞きますが、少し調整を繰り替えてしていく必要があるようです。
中国の漢方では崩漏(ほうろう)と言います。
月経周期、出血期間、出血量の乱れのことで、生理以外の性器出血のことを指します。
崩(ほう)とは急に出血し出血量が多いこと
漏(ろう)とは出血量は多くないが、半月以上も生理が止まらないことを指します。
機能性出血:ホルモンの異常による出血のことで、とくに思春期と更年期に多いといわれます。
子宮の病気による出血は、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮がんなどがある様です。
更年期、閉経前後の不正出血は、子宮がん、慢性頸管炎子宮筋腫、子宮内膜症などによるものといわれます。
病因病機は、
1)「脾虚」「腎虚」など「虚証」によるもの
虚だから固摂できない。
同時に「気血不足」も関連します。
2)「熱」によるもの
「陰虚血熱」「肝鬱化熱」「陽熱内盛」「湿熱下注」などにより「血熱(けつねつ)妄行」
3)「淤血(おけつ)」によるもの
「淤傷胞絡(おしょうほうらく)」その結果「離経の血」「胞絡淤滞」になると考えられています。
日頃から不正出血などの漢方相談を、山形の土屋薬局では頑張っていますので、慢性的でお困りのかた、なかなかうまくいかなくて辛い思いをされていることはお気軽にご相談してください。
<2008年11月16日 長崎稲佐山から見た1000万ドルの夜景>