親切な漢方相談|土屋薬局ブログ

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「バビロンに帰る」と「ジョセフィン 虹を夢みて」

おはようございます。

土屋です。

バビロンに帰る

ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック2 村上春樹さん 編・訳 中公文庫 

を読み終わりました。

弘前が生んだ偉大な翻訳家の野崎孝さんによる新潮社 「フィッツジェラルド短編集」に続いて、読みきりました。

バビロンに帰る」には、ジェリービーン、カットグラスの鉢、結婚パーティー、バビロンに帰る、新緑の5つの短編が納められています。

それぞれの短編には味があり、心を打つものが多かったです。

のらくらのジェリービーンのジム・パウエルの悲しみに共感し、「バビロンに帰る」ではチャーリーの心境や境遇にも心を惹かれました。

野崎孝さん翻訳の新潮社では「バビロン再訪」、村上春樹さん翻訳では「バビロンに帰る」となっていますが、その2通りの訳もそれぞれ読んで、違う角度からこの小説を堪能できました。

その2つの翻訳の中で、私が個人的に強く印象を持ったところは、ジョセフィン・ベーカーのショーをパリでチャーリーが観た場面です。

「チャーリーは、夕食の後、間もなくいとまを告げたが、宿に戻るつもりはなかった。彼は、昔とは違った、もっと曇りのない、もっと醒めた大人の目で夜のパリを見てみたかった。そして、カジノ・ド・パリの補助席の切符を買うと、チョコレート色の幻想を織りなすジョセフィン・ベーカーのヌード・ショーを見物した。」… 新潮社 「フィッツジェラルド短編集」 野崎孝さん訳 248ページより引用させて頂きました。ありがとうございました。

「夕食のあと、彼はすぐに辞去したが、でも部屋には戻らなかった。彼はパリの夜の光景を、往時よりずっと分別の備わった明晰な目で見てみたかったのだ。彼はカジノの補助席を買い、ジョゼフィン・ベーカーの踊りがチョコレート色のアラベスクを稜なすのを見物した。」…「バビロンに帰る」 ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック2 村上春樹さん 編・訳 中公文庫 166ページより引用させて頂きました。ありがとうございました。

パリを舞台にした1931年の作品です。

バブルが弾けた後の大恐慌の時代に、そのバブルの時代には散々な贅沢を尽くし、家庭も壊れていってしまったチャーリーが娘に会いに再び─バビロン(パリ)─に戻ってくるところから話が始まります。

村上さん解説曰く「一度は破滅の瀬戸際に立った主人公が、娘への愛のために、業の世界から得(モラル)の世界へと回帰しようとする物語である。この作品を深く印象的なものにしているいちばん大きな要因は、まさにモラルの力である。これほどまで素直に、そして真摯にもモラルというものを追求した短編小説をほかに知らない。」…「新緑のためのノート」246ページより引用させて頂きました。ありがとうございました。 

それでこの小説の中の一部分、ジョセフィン・ベーカーに関する記述が、私の過去に観劇した今は無き地人会の「ジョセフィン 虹を夢みて」の舞台にシンクロしていったのでした。

ジョセフィン・ベーカー役を演じる前田美波里さんの素敵だったことや、地人会の舞台を天童まで見に行ったなあとか、さまざまな思い出も蘇り、この「バビロン再訪」「バビロンに帰る」が私にとってはとてもリアルなものとして、チャーリーも身近に感じることができました。

今から70年前の小説なんだけど、主人公や登場人物たちがまるで今の時代に生きているかのような、そんな気がしてならないのです。

バブル崩壊後の日本やサブプライムローンによるアメリカ経済崩壊後の今日の迷える私たちの中に、チャーリーが生きているかのようです。

虹

無名コラム 「ジョセフィン 虹を夢みて」より>