おはようございます。
薬剤師、不妊カウンセラーの土屋幸太郎です。
お客様と「おめでとうございます」のコラム作成許可を頂きましてから、1年以上経過してしまいましたが、本日コラムを作成させて頂きます。
今回のSさまは、薬剤師さんです。
産後に分ったのですが、私と薬科大学で同学年だった!(クラスは違うクラスでした)というエピソード付きで何かのご縁を感じるご相談でした。
お嬢様もすくすくと丈夫に育っていて嬉しい限りです。
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○平成18年4月28日
Sさま 38歳
不妊 結婚10年 流産3回
不育症検査→異常なし
(凝固系、免疫系、染色体異常)
人工授精15回、体外受精6回
周期32~35日 期間5~7日
体がだるくやる気がしない、手だけ熱い、お腹は冷えている。
基礎体温は全般的に高めで高温期が37.0度を超える感じで、低温期は36・5度を超える感じでした。
漢方薬は、滋陰降火(じいんこうか)をメインにして、初回は、杞菊地黄丸ロウ丸タイプ、天王補心丹、酸棗仁湯錠、血府逐淤丸とお勧めしました。
~
以下、その時々の体調や症状、病院の治療にあわせて柔軟に漢方相談を対応させて頂きました。
Sさまは、その都度いつも詳細に体調など教えて頂きました。
○平成19年4月17日
移植後調子よく過ごしていました。
体温も安定していたし、腹痛などもなかったので、
陽性が出ると思って過ごしていました。
日曜日には体がだるくなり、とうとうつわり?と思ったら、PMSだったようで、
今日からまた新たな周期が始まりました。
判定は明日なので、今週期の治療方法は明日決まりますが、
GWも入ってしまうのでおそらくお休みの周期になると思います。
40コも取れた受精卵なのに毎回融解した後の戻りも良く、桑実胚、胚盤胞まで育ってくれているので、
あとは着床の問題なのでしょうね。
異型増殖症になりやすいことからみても、体質的に着床は難しいのでしょうか・・・
なかなかうまくいかないですね。
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○平成19年6月8日
今日判定を受けてきましたが、
またもやマイナスでした(T_T)
なかなか着床してくれません。
(今回はちょうど桑実胚から胚盤胞になる受精卵を3つ戻しました)
受精卵はきちんと分割してくれているので(多少育ちが悪いですが)、母体の方に原因があるのでしょうね。
黄体補充の問題とImplantation Windowの開いている時期が人より短すぎるのかと思い、
今回はHRT周期でお願いしたのですが、それでもダメでしたね・・・。
あとはどうすればいいのでしょうか・・・途方に暮れてます
今後は1周期カウフマンした後、再度HRT周期で戻します。
これだけ胚盤胞移植して結果がでないので、長期に培養するのが良くないのかもしれない、とのことで
次回は基本に戻って3日目移植をする予定です。
前回の注文の時にバタバタしていて、お話ししていないのですが、一つ気になることがあるのです。
ホルモン値のことです。
D2採血(4/18)
E2 84 pg/ml
LH 0.8 mIU/ml
FSH 0.4 mIU/ml
PRL 54.7 pg/ml
PRLがかなり高くなっていました。
前回(12/16)に測ったときは、4.0pg/ml でしたので、数ヶ月で急にあがってしまいました。
もともと潜在性高プロだったので、ここまで高くなることは初めてです。
何が原因なのかわかりませんが、ストレスでここまで高くなるものなのでしょうか。
その結果、パーロデルが1T(vds)→2T(分2)に増えてしましました・・・
そこで、高プロには「炒麦芽」とよく聞くのですが試してもいいですかねぇ。
あと、高温期への移行も相変わらずはっきりしないし、高温期になっても体温が不安定なので、
それも気になっています。
もう7回も連続で移植に失敗しているので、色々余計なことを考えてしまいます。
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○平成19年7月27日
先週、2段階移植をしてただ今黄体補充中です。
1回目は8cellを1個、2回目は胚盤胞と桑実胚を移植しました。
胚盤胞といっても、空胞があり細胞数も少ないらしく、あまり期待できそうもないですが(^_^;)
前回の失敗を踏まえて、デュファストンとプラノバールが倍量になりました。補充もしっかりしているせいか、基礎体温も安定していて、見た目はいい感じです。内膜も移植前に12ミリあったので、バッチリなのですが…こんな時に限って、卵がよくないんですね(^_^;)
凍結卵も使い果たしたので、気持ちは半分次に向かっています(笑)
リセットしたら、"質のよい卵作り"に気合いを入れて取り組みたいと思います。
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○平成19年8月26日
昨日病理の結果を聞きましたが、やはり絨毛を確認したとのことで、一人目は流れてしまったようです。
出血翌日のHCGが3000あったので、やはりもう一人いたようですが、どんどん胎嚢が小さくなっていきました。
数日前から出血が始まりましたので、短い妊婦生活が終わりました。
今回で4度目の流産となります。
(1度目:7W けい留 2度目:6W子宮外妊娠 3度目:7W心拍停止 4度目:5W完全流産)
前回の流産時に不育症の検査をしましたが、原因不明です。
強いて言えば、リンパ球クロスマッチの結果が微妙なことですかね。多少HLAが似ているみたいです。
よく、不育症の治療で柴苓湯を使いますが、中医学ではそのような薬はないのでしょうか?
次の治療は少し休んでから、採卵からです。
また気の遠くなるような治療が始まります・・・
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○平成19年11月10日
いよいよ採卵周期が始まりました。
今日から(D3)注射です。
この2ヶ月間、ゆっくりしていました。
あまり頑張りすぎると息切れしてしまうので、少しいい加減に治療のことは忘れるくらいの生活をしていました。
ブートキャンプをやったり、葛食断食でデトックスしたり、部屋の掃除をしてみたり(笑)
ゆっくりと過ごしていました。
多少やせたかな?体がすっきりした感じです。
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○平成19年12月8日
グレードはいつものようにG1が1個、あとはほとんどがG3でした。
取れた数の割には、分割卵が前回より少なかったですが、そのおかげでしょうか、
今回はグレードのわりに成長のスピードが早いです。
D3で8cell以上が半分近くあります。
今回のETで3つ使ったのでそれはすべて凍結してもらいました。
成長が早いのは卵に栄養が行き渡って元気なのかな、と思います。
土屋薬局さん秘伝の方法はよく効いたようです(*^_^*)
月曜日に病院で判定するのですが、今日早速リセットしてしまいました。
最近は以前も試していた寺子屋お産塾さんの体創りをまた始めたので、
今日は1日節食です。
とにかく、年末はゆっくりして、年始から始動します。
凍結卵も悪くなさそうなので、諦めずにがんばります。
今年も色々とお世話になりました。
先生と出逢えてなければここまでの結果が出なかったと思います。
いつも親身になっていただきありがとうございます。
来年こそは嬉しい報告が出来ればと思います。
もうすぐ40です。
30代は悲しい結果ばかりでしたので、40になって心機一転、0からスタートです。
今まで苦労してきた分、40代はきっといいことがあるはず!と思って頑張ります。
来年もよろしくお願いします。
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○平成19年1月31日
火曜日に判定日で陽性と診断され(4W5D)、5mmの小さな胎嚢が確認されました。
しかし、判定日前日に37.8の熱をだし、翌日下がったのですが、熱が下がった後、今まであったつわりのような吐き気、眠気がなくなり、昨日は基礎体温も少し低め(36.8度)になり(今日は37度近くありましたが)、ちょっと不安な日々を過ごしています。
胸の張りはあるので、妊娠継続を信じていますが…
土曜日にまた診察なのでそれまではドキドキの毎日です。
あとはこの時期、スギ花粉症があり薬を飲まないと耐えられないので、漢方で良いものがあったら教えて下さい。
よろしくお願いします。
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○平成20年9月20日
すっかりご無沙汰しております。
その後もなんとか無事に過ごせ、37週過ぎた9月16日に2768gの女児が誕生しました。
日曜日(14日)に破水し、そのまま入院。
翌日(15日)陣痛が来なかったので、16日に陣痛促進剤を打ちましょうということになってました。
そこで、翌日の出産に備え、漢方を飲んで寝たら、6時間後に陣痛が!
それからは順調で7時間後に産まれました。(陣痛始まってからも漢方を飲みました)
出血量が多くて少しフラフラしたため、出産後は漢方を分3に回数を増やして飲んだら体調良くなりました。
ただやはり貧血はあり、昨日からフェロミアを飲み始めましたが。
やっと我が子に逢えてホッとしています。
今回の妊娠も、初期の出血があり、胎嚢が崩れかけてた時に的確な判断で薬を変えて下さった先生に感謝です。
あの時に薬を変えてなかったら、この子には逢えなかったと思います。
本当にありがとうございました。
結婚13年目、やっと長い長い不妊生活とさよなら出来ました。
先生に出逢えてよかったです。
というか、同級生として尊敬します!!
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○平成20年9月25日
日曜日の退院予定が、黄疸が出ていたため1日遅く退院し、育児生活が始まりました。
まだまだ寝不足もあり慣れませんが、漢方のおかげで比較的元気です。
それから、アルバム受け取りました。ありがとうございます。
とても可愛いアルバムですね。
早速、使わせていただきます。
いま、薬暦簿の最初から改めて見てみましたが、
本当に今まで出産まで、よく頑張ってきましたね。
ありがとうございますm(_ _)m
一回一回の治療に集中してたので、振り返ってみて初めてこんなに月日がたってたんだなぁ、と実感しました。
以前通っていた漢方薬局は不妊症の知識が乏しく、相談に行っても血流の流れを見るだけでしたので、結果が出ないのは当たり前ですね。3度目の流産後に土屋先生に出会い、温経湯は合わないと言われ、やっぱり・・・と思ったことを覚えてます。納得できる説明だったので、あの時は本当に救われました。信じて続けていこう、と最初から思えて、結果も出て良かったです
私も嬉しい話は大好きでした。参考になりました。私は、不妊歴も長く色々な治療をしているので、お役に立てれば幸いです。もし、不足の情報があれば、提供しますので、遠慮なくメール下さい。これからも漢方は続けますので、よろしくお願いします。
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Sさまご一家に、真下慶治記念美術館からの眺めをお贈りしたいと思います。
ちょうど雪が降っていて、雪景色が美しかったです。
<平成22年1月17日 村山市 真下慶治記念美術館>
桜の木も、雪に覆われ世間の灰色の暗い雰囲気も吹き消す白さです。
桜の花が咲く頃ももちろん素敵ですが、何より雪景色は代え難い唯一のものです。
このところの寒波の影響で、一昨日の晩から50cm、そして昨夜から30cmと積もり80cmの積雪になっているそうです。
ここ、真下慶治記念館は生涯に渡り最上川を描き続けた真下慶治画伯のアトリエがあった小高いところに6年前に建築されたものです。
<最上川・大淀の流れ>
大淀の流れとは、ここで最上川が蛇行してうねって流れていることから名付けられたそうです。
この世に生を受けたお子様も、荒波も乗り越えて力強く育っていって頂きたいです。
Sさまどうもおめでとうございました。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。