こんにちは。
薬剤師、不妊カウンセラーの土屋幸太郎です。
土屋薬局は今日の31日までの営業で今日で御用納めです。
明日のお正月の準備でみなさまの家庭もそれぞれ忙しいことと思います。
さて当店では、本日は多嚢胞性卵巣症候群の方のご相談がありました。
卵巣ドリリングの術後は1年経過するものの生理は40日周期で順調とのことでした。
体型的にも肥満でもありませんでしたし、舌ベロチェックして頂きましたが、とくに問題はない感じでしたので、通常通りの漢方相談をさせて頂きました。
過去、クロミッド単独、クロミッド+メトフォルミン製剤、誘発剤の注射とステップアップしたけどダメだったので手術をされたそうです。
今は経過が良いですのでなおかつ当店では養血調経(ようけつちょうけい)の漢方薬をメインに排卵のリズムを整えていくことをお勧めしました。
検査ではアンドロゲンが高かったそうです。
…
御用納めなので、漢方相談机の周囲を整頓していたら過去の資料も見つかりました。
平成14年度のときに勉強していたものできれいに頑張って書いていました。
ちょっとデジタル化したいと思います。
☆多のう胞性卵巣症候群
卵巣両側増大、多のう改変、月経不調、月経不調、閉経、無排卵、多毛、肥満、不妊を伴う育齢期の多発病変
育齢女性 5~6% 不妊症 0・6~4・3%
希発月経 閉経 → 肥満多毛
↑↓ → ↑↓ → 不妊
月経過少 無排卵 → 不正出血
診断基準 内分泌検査
LH基礎分泌値高値、FSH正常範囲
LH/FSH>3
血中テストステロンあるいはアンドロゲン高値
発病機序
☆視床下部─下垂体─卵巣系の異常
☆高アンドロゲン
☆インスリン抵抗性の亢進
卵胞発育不良、排卵障害、黄体非破裂卵胞症候群
視床下部─下垂体─卵巣系の異常
GnRHパルス状分泌の頻度と振幅の増加
↓
下垂体ゴナドトロピン産生亢進
↓
LH高値
↓
PCOS(多のう胞性卵巣症候群)
高アンドロゲン アンドロゲンはインスリン介して性ホルモン結合のグロブリンの肝臓からの分泌を抑制
↓
遊離型アンドロゲン ↑
LHレベル上昇やIGFによるLH作用の増強
↓ ↓
アンドロゲン過剰分泌→ 高アンドロゲン→ 卵胞発育、卵胞閉鎖、排卵抑制 卵巣内ステロイド代謝異常
PCOSとインスリン抵抗形成の機序
薬物皮質ホルモン
↓
妊娠、高齢、遺伝→インスリン抵抗 ←喫煙、運動不足、肥満
↓
高インスリン血症→脂肪増加代謝異常
↓
PCOS
…次回は中医病因病機です。お楽しみにしてください。
<2010年12月28日 神町の雪景色、谷地方面、遠くに朝日連峰眺め>