基礎体温が低温で37℃代、高温期で37・4~5℃になるかたのご相談を受けました。
年齢も40代ではなくて、まだお若い30歳前後の年のお客様なので、久しぶりに中医師の先生にいろいろと相談してみました。
今日は私のもう20年くらい知り合いの恩師 R先生です。
父上様は中国でもすごく有名な老中医で由緒正しい先生なので、相談していても頼もしいものがあります。
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「基礎体温が高く、体は寒がり冷え性との相談です。
周期が短め、生理が短め(2日ぐらい)なのは体の陰の不足です。
そして寒がり、冷え性なのは陽の不足です。
つまり陰と陽の両方の不足があります。
陰と陽のバランスをとることが大切。
第一子のお子様のご出産のトラブルも今現在の状況に関連していると思います。
漢方の方針は、純粋に体を冷やすことだけではダメ。
体が弱くなっているので、体を冷やすと逆に悪化する。
補陽剤も使いすぎるとのぼせるので、少量にする。
バランスの調整が大切です。
周期療法では生理の周期が正常なときに良い。
まずは体のバランスを考えていくことが大切です。
基礎体温が高くなっているのは、神経が張っている。
ストレスの可能性があります。
漢方で使いやすい処方としましては、
周期が短めの対策をとり、
排卵日のおりものが少ないこと、経血量も少ないことから
腎の陰、肝の血を補うことをメインにし、同時に瀉火利湿顆粒でストレスや基礎体温の熱ぽい感じを解消していきます。」
体が寒がり、冷え性なんだけれども、基礎体温は高く熱っぽい感じも同時にある矛盾した「証」をお持ちのかたのご相談でした。
使う中成薬には、たとえば陰のものだけど陽になるもの。
亀板と鹿茸を同時に使ったりもします。
全般的には陽や陰の不足があるので、参茸補血丸や加味帰脾湯なども考慮できる。
基礎体温が高めなことには、鎮肝剤を。
たとえば天麻、竜骨、牡蠣など。瀉火利湿顆粒を加減しながら服用するのも良い。
ほかに二至丹のようなもの。
二至丹ははっきりと補陰と補陽と分かれていない。
ガソリンが「陰」だとすると、燃えて火になればそれは「陽」になる。
陰と陽をはっきり分けるよりも、微妙に調整していったほうが良い。
出産のトラブルは気血不足の不足に、つまり生理の量が減ったことや冷えることなどにも関係しています。
周期療法は生理の周期が正常なときに。
体のバランスを考えることが大切。
弁証論治を大切に。
と中医学の神髄に触れたようで、やっぱり素晴らしい学問だなあと思いました。
小手先の何が良いとか、これが良いなどの漢方処方を追うよりも、考え方を大事にしていきたいと思いました。
<2011年10月2日 山形市・本沢>
本沢のぶどう直売所でした。
秋深まる山形です。