こんにちは。
薬剤師、不妊カウンセラーの土屋幸太郎です。
今日の山形は、上山市も山形市も東根市も天童市もあちこち桜が満開でした。
お客様、患者さんたちの声も桜の話題で持ちきりの平穏な一日でした。
気持ちのよい季節が過ぎていきます。
さて「不妊漢方/不妊漢方治療の応用」その4…脳の興奮を落ちつかせるの続きの話です。
今回は高プロラクチン血症の漢方薬についてです。
周先生の仙台での3月漢方講演、不妊症への漢方応用のまとめです。
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高プロラクチン血症(高PRL)
非妊娠状態あるいは哺乳期以外で、胸が張って痛い、乳汁分泌、生理が遅れ、無月経などの症状がみられる場合
<高プロラクチン血症の西洋医学的な原因>
下垂体腫瘍
抗鬱剤、降圧剤など
ホルモン剤(ピル、エストロゲン)
甲状腺機能低下、腎機能低下
ストレス、不眠、授乳
<高プロラクチン血症のBBT 基礎体温表の特徴>
ギザギザ不安定
高温期上昇困難
低温相が長い
無排卵
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不妊漢方では、溢乳症(高プロラクチン血症)
不妊漢方では「溢乳、閉経、月経過小、不妊」に属する。
○肝鬱気滞(かんうつきたい)の高プロラクチン血症:気血の乱れ、肝気や肝火の上昇
症状:憂鬱、ため息、胸が張って痛い、溢乳、月経希少
○肝腎不足(かんじんぶそく)の高プロラクチン血症:衝任失養、血海空虚、肝失疏泄、肝気上逆
症状:めまいや耳鳴り、初潮が遅い、生理後期、量少
○脾虚痰濁(ひきょたんだく)の高プロラクチン血症:飲食不節、脾胃損傷、痰湿内滞、気機不暢
症状:肥満、生理後期、閉経、軟便
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<高プロラクチン血症を不妊漢方/不妊漢方治療で弁証する>
○肝鬱気滞(かんうつきたい)の高プロラクチン血症
治則:疏肝解鬱(そかんげうつ)・理気調経(りきちょうけい)
漢方処方:
気を開く漢方薬+麦芽を炒ったもの
↓
お腹の張り、ガスに
加えた逍遥散+麦芽を炒ったもの
↓
熱っぽい、上に症状がある
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○肝腎不足(かんじんぶそく)の高プロラクチン血症
治則:補肝腎(ほかんじん)・調月経
漢方処方:枸杞の実と菊の花の地黄丸+麦芽を炒ったもの
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○脾虚痰濁(ひきょたんだく)の高プロラクチン血症
治則:健脾燥湿(けんぴそうしつ)・去痰調経(きょたんちょうけい)
漢方処方:肝を温める漢方薬+麦芽を炒ったもの
次回は 総論 まとめです。
いままで不妊漢方/不妊漢方治療の応用シリーズをお読み頂きましてありがとうございました。
<2014年4月23日 若木山公園 桜満開>
若木山より 桜と葉山