「40代の方の不妊症、子宝漢方相談、周期療法を中心とした漢方検討会」の続きの話です。
漢方症例検討2例目でした。
40代女性のお客様
<基礎体温が高めの漢方相談>
結婚13年目
クロミッド、デュファストン、プレマリンが処方されていて人工授精を5回されましたが結果が出ず。
全国の漢方薬局の先生方のご意見がでまして最後の先生の感想
「このお客様は10年前に子宮内膜症が治ったとありますが、実際には子宮内膜症が治ることは難しいので、まだ子宮内膜症があると思います。
基礎体温が全般的に高めで低温期が36・5℃以上、高温期も37℃を超えていますから。
私でしたら、五味消毒飲加減法だったり、チャガまたは水蛭製剤などお勧めです。」
最後にテューターのO先生のアドバイス
「BBTが高めです。
体が熱いと思います。
熱をとることが大切。」
「漢方薬の処方は少し温性のものを重ねているから、私だったら漢方は3種類と決めていたら、陰が2つ、陽は1つとバランスをとっていきます」
という貴重なご意見で2時間に及ぶ不妊症お茶の間漢方講座が終わりました。
最後に子宮内膜症のまとめです。
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子宮内膜症
子宮内膜症とは本来は子宮内腔にしか存在しないはずの子宮内膜や子宮内膜様の組織が異所に存在し、機能する疾患である。
月経期になると子宮内腔以外の場所にできた子宮内膜も剥離・出血しますが血液や子宮内膜を体外に排出することができずに体内にたまります。
チョコレートのう胞ができたり、諸臓器と癒着が起こります。
子宮内膜症の80%の人にチョコレートのう胞が見られます。
20歳代に初発し、30~40歳代、ことに43歳代にもっとも多い。
閉経後は少ない。
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子宮内膜症のおもな症状
月経痛、不妊、卵管閉塞、卵管癒着、着床障害
下腹部痛、腰痛
性交痛、生理前に激しい
月経過多
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子宮内膜症のおもなBBT、基礎体温の特徴
低温期→低温期に基礎体温が下がらない、下がった後にまた高くなる、あるいは段階的に下がる
高温期→
1)階段式上昇、高温期への移行は3日以上かかる
2)高温期は12日未満
3)高温期と低温期の差が低い、0・2℃から0・3℃しかない
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子宮内膜症の弁病弁証
補腎活血きょ湿・清熱解毒
例)養血調経の漢方に丹参製剤+チャガ+五味消毒飲加減法など
活血剤には、ほかの漢方もOK
冷え性や基礎体温が低めのかたには高温期に人参や冬虫夏草が配合されたロウ丸など
<2015年5月24日撮影 山形市蔵王風景です>
柏餅の木と蔵王です。
田んぼに水が入って田植えも終わり、いい季節になりました。