新年明けましておめでとうございます。
薬剤師、不妊カウンセラーの土屋幸太郎です。
今年の土屋薬局は昨日の1月3日から初売りをしています。
昨日は朝一番のお客さまが埼玉県のお客さまで距離の壁を突破していて驚きました。
奥様のご実家が山形で上山の温泉に泊まられていて、インターネットで土屋薬局の痛み、しびれの漢方相談を知ったそうです。
12月31日にも来店されたそうで、その日から土屋薬局は年末年始休業に入りましたらから、1月3日の初売りをお待ちになっていたそうです。
ご家族の痛み、しびれの漢方相談でしたので良い結果を感じ取って頂きたいと思いました。
痛み、しびれの漢方相談は、下半身の座骨神経痛の痛みやしびれと、また、右半身や左半身などのしびれでは考え方をかえていきます。
今回の痛み、しびれの漢方相談では、「半身系」のしびれでしたので、漢方薬では小太郎製薬の補陽還五湯とイスクラ産業の独歩顆粒の2つを合方して服用してもらうことに決めました。
補陽還五湯のほうは、小太郎製薬さんのページから紹介します。
補陽還五湯は中国では脳卒中の後遺症によく使用されている処方である。脳卒中などで気が虚し、血が滞り栄養が全身に行き渡らないために起こる半身不随などの筋力の低下、しびれや言葉のもつれ、尿モレなどに。
さらに引用します。
◆補陽還五湯は全身の(陽)気の総量を10(右半身:5、左半身:5)とした時、脳卒中などで半身不随になり片側が0になり、動かなくなってしまった状態を5にまで戻す(還五:5を還す)という意味で名前がつけられた。
◆王清任著『医林改錯』には「此の方は半身不随し、口眼歪斜(ワイシャ:口や眼が歪む)し、言語が蹇渋(ケンジュウ:うまく話せない状態)し、口角に涎が流れ、大便は乾燥し、小便は頻数し、遺尿(尿失禁)し不禁(大便の失禁)するを治す」とある。気虚瘀血によりこのような症状が現われた際に、欠かせない処方である。
◆脳卒中には、脳の血管が詰まる脳梗塞と出血が起きる脳出血がある。栄養状態がよい今の日本では脳梗塞が多く、補陽還五湯は脳梗塞で血流が悪くなり、その先に栄養が行かなくなる病態によい。
◆補陽還五湯は脳卒中による半身不随に使用するが、意識がはっきりしていて体温が正常な時だけ使用する。脳に出血がある時には用いない。
◆処方構成から、脳血管障害に限らず、一般的な血流停滞の状態で全身の機能低下を伴う「気虚瘀血」を目標にする。 高齢者や慢性病を長く患っている方、術後衰弱している方など気虚でパワー不足の方の血流障害に応用することが多い。
おもに現在の日本では脳卒中後遺症のような症状改善に使います。
この補陽還五湯だけではなかなか症状が改善しない場合もありますから、その場合にはさらに検討を重ねます。
今回は山形の冬の寒さもありますので、時節柄も考慮してイスクラ独歩顆粒の併用をオススメです。
独歩顆粒は昔は独歩丸として、
または別名 独活寄生湯としても有名です。
土屋薬局 中国漢方通信の「イスクラ独歩顆粒について」こちらもご参考くださいね。
体のしびれは、体の元気がない状態の気虚と体の全身を滋養する栄養である血の不足が根底にあります。
それに寒さや湿気などの影響によって血行不良が生じたり、経絡の流れが淀んでしまい痛みやしびれ、疼痛が発生してしまいます。
足腰を丈夫にする補腎という働きもあり、腎は骨や髄、耳、髪の毛にも関係して若返りにもつながります。
独歩顆粒の場合には痺証(ひしょう)といって痛みやしびれの専門の漢方になりますが、とくに膝痛や五十肩、座骨神経痛、股関節痛などの痛みやしびれの専門です。
補陽還五湯も実は不妊症や子宮内膜症など、いろいろと応用の幅がありますが、まずはなまえの由来のとおりに体の半分の「五」割が痺れている状態を解消していく漢方になります。
両方を併用してみた漢方薬の考察でした。
症状が今後、改善されていきますことを心から願っています。
昨年は、4ヶ月後に症状が改善されて体のしびれがすっかり良くなったという女性のお客さまがいらっしゃいました。
今年も脳卒中後遺症などの難しいタイプのしびれにも対応できるように精進していきたいです。
<2018年1月1日 元旦>
若木神社初詣
今年も「難」を「転じて」いきたいものですね!