ブログ版土屋薬局 中国漢方通信

土屋薬局ブログ。薬剤師・不妊カウンセラーの土屋幸太郎がお届けします。私自身、不妊体験を経て、漢方療法の力で子供に恵まれました。その経験を活かし、皆さんに健康で幸せな家庭を築くお手伝いをしたいと思っています。薬局には女性薬剤師も在籍し、気軽にご相談いただけます。健康に関するお悩み、不妊治療、妊活相談、痛みやしびれに関する漢方相談など、お気軽にご連絡ください。お問い合わせやご予約は☎️ 0237470033までお願いします。一緒に幸せな未来を築きましょう。

男女の更年期と神経症と漢方療法(2)…女性ホルモンの分泌変動と女性のライフサイクル

「男女の更年期と神経症と漢方療法」の続編です。

今回は、中医学バージョンで「女性ホルモンの分泌変動と女性のライフサイクル」です。

黄帝内経素問

中医学のバイブルの「黄帝内経素問(こうていだいけいそもん)」より。

女子は7歳ににて、腎気(じんき)盛んなり、歯が生えかわり、毛髪が伸びる。

14歳になると天癸(てんき)至り(生殖機能の充実)、

月経が始まり妊娠が可能になる。

21歳になると、腎気が充実し、智歯が生えそろう。

28歳になると、筋骨がたくましくなり、毛髪も最も長く、身体は盛壮となる。

35歳になると、陰陽の脉(みゃく)が衰え、顔に憔悴が表れ、脱毛が始まる。

42歳になると、三陽の脉が衰え、顔の憔悴は広がり、白髪が生え始める。

49歳になると、天癸竭し、閉経し、老衰し子供ができなくなる。

(注釈:これは女子の一生を「7の倍数」で表したものです。

実に深遠な世界で、今から2000年以上も前に、

先人たちはこのように「人間の発育、成長、老化」を見つめていたのです。

中医学は素晴らしいです。

これは、今の医学でいう

「35歳からは高齢出産、高齢妊娠になる」のと同じことです。

土屋薬局では、鹿茸などが配合された補腎薬をよくお勧めしますが、

これは天癸(てんき)というホルモンを補い、腎気(じんき)を豊かにして、

妊娠して頂きたいとの思いからです。

お分かり頂けますでしょうか?

たとえば、42歳のかたが妊娠、出産したとしても、

そのかたは中医学では「腎気(じんき)の年齢が若くて35歳」かもしれないし、

また35歳なのに不妊のかたでなかなか妊娠できないときには、

すでに「腎気の年齢が45歳」かもしれないのです。

人とは比較しにくい問題です。

ですから、漢方薬局さんで補腎薬(ほじんやく)を薦められましたら、

素直に服用したほうが身のためです。

「35-42歳」の微妙な年齢のかたが、

当帰を主成分とした漢方薬や鹿茸が配合された補腎薬をしっかりと服用していけば

「28-35歳」になる可能性もあります。

いずれにしろ、中医学では高齢妊娠、出産の対処法、

セオリーがありますので、使わない手はありません。

更年期予防、対策にも補腎(ほじん)は大切です。

ちょっと休憩です。

先週、西蔵スカイラインでの風景です。

ねむの木

ねむの木、発見です。

西蔵スカイラインは素晴らしいです。

蓮の花に、ひまわりに、私の好きなものばっかりです。

ねむの花

ほかの先生たちには、だまっていますが、

私はこういうステキな景色を眺めて、

心を洗ってから勉強会に望むのです。

本編の漢方コラム合歓の花」では、昨年の阿賀野川流域のものを撮影していますので、

お暇でしたらこちらもご覧になって頂ければ嬉しいです。

……

さて休憩が終りです。

最近、出版された私の師匠たちが書いた本

「心と体にやさしい不妊治療」より、関連することを紹介しましょう。

33ページ Q3「中医学では、「妊娠しやすい体」についてどう考えていますか?」

A3(アンサー3番目)

妊娠するための必須条件は、

月経期、卵胞期、排卵期、黄体期それぞれに起こる体や

ホルモン分泌の変化が、順調であるということです。

月経周期が正常な状態を保つためには、

体のエネルギーである気や、

妊娠、出産と深いかかわりのある血(けつ)などが充実していて、

めぐりもよく、さらに五臓(脾、肺、心、肝、腎)の働きが

しっかりとしている必要があります。

ここで少し、五臓のうちで、もっとも生殖能力と関係の深い腎

(解剖医学からみた腎とは異なります)についての話をしておきましょう。

中医学では、「ホルモンバランスや卵胞の成長は、腎がコントロールしている」という考え方があります。

腎(じん)の中には、精(せい)」という物質が蓄えられていて、

血はこの精から生じると考えられています。

少々分かりにくいかもしれませんが、

「精がつく」「精根尽き果てる」「精を出す」などの言葉を思い浮かべれば、

精の大切さはイメージできるのではないでしょうか。

実際に、不妊で悩む女性は、腎(じん)に何らかの問題があることが多く、

その場合には補腎(ほじん)といって、

腎の働きを充実させる漢方薬を使って、卵巣の働きを高め、

妊娠しやすい体に導いていきます。

この補腎によって、乱れていた月経周期やホルモンの状態が整い、

きれいな基礎体温のラインを描くようになることも多いものです。

なお、腎(じん)は生殖能力だけでなく、

エイジングとも深い関係にあるため、

腎(じん)に問題があると、足腰のだるさや痛み、

抜け毛や白髪、視力の衰え、歯が抜ける、性欲の低下など、

いわゆる「老化現象」が現れることがあります。

腎(じん)の充実度を知るためには、

基礎体温や西洋医学的なデータだけでなく、

こういった兆候をきちんととらえて、

トータルに判断していくことが大切です。

ハスの蕾

前回の続編ですが、蓮の蕾もきれいですね。

昨年、新潟の魚沼の古代ハスを見に行ったところ、

レスリング道場」は見つかったのですが、

古代ハスはもう終わっていたという苦い思い出があります。

レスリング道場は、もう何もない山の中でしたから、

日体大とかこんな逃げ場所がないところだったら、

「強くなるだろうなあ…」と思い、

自分だったら絶対に嫌と思いました。