シリーズ3回目です。
今回は、「男女の更年期と神経症と漢方療法(3)」です。
前回の第二回目の要点は、女性のかたは「7歳」で年を重ねることでした。
7×2=14歳で初潮がきて、7×4=28歳で人生のピークを迎えて、その後 7×5=35歳で徐々に下降線となり、7×6=42歳前後から更年期となり、7×7=49歳で閉経となります。
私たち男性は、「8歳」で数えていきます。
8×2=16歳で射精できて、8×4=32歳で人生のピークを迎えて、徐々に下降していきます。
8×5=40歳から、8×6=48歳などが更年期を迎えていく年代ですね。
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さて、臨床分型です。
1)陰虚陽亢(いんきょようこう)、腎精不足(じんせいぶそく)
症状:自汗(日中に汗が出ること)、寝汗、いらいら、怒りっぽい、めまい、手足のほてり、不眠、腰膝がだるい、不眠、耳鳴り、月経量少ない、舌が紅くて苔が少ない。
治法:補益肝腎(ほえきかんじん)、滋陰潜陽(じいんせんよう)、補腎精(ほじんせい)
2)気血両虚(きけつりょうきょ)、腎陽不足(じんようぶそく)
症状:疲れやすい、腰膝だるい、冷え、むくみ、不眠、舌質胖大(ばんだい)、歯痕(しこん)、苔薄白(はくはく)。
治法:補気益血(ほきえっけつ)、補腎陽(ほじんよう)
3)気滞血淤(きたいけつお)
症状:頭痛、肩こり、動悸、不安、いらいら、不眠、舌質青紫あるいは淤斑(おはん)。
治法:活血化淤(かっけつかお)、理気解鬱(りきげうつ)
4)痰湿内阻(たんしつないそ)
症状:頭痛、頭重(ずじゅう)、むくみ、胸悶(きょうもん)、不安、多夢(たむ)、舌質暗紅(あんこう)、苔白厚(はくこう)、黄厚(おうこう)。
治法:去湿化痰(きょしつかたん)、健脾和胃(けんぴわい)
蔵王の空を背景に、ねむの木が勢いよく育っています。
補足:私のノートより
包海燕先生の話しより
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更年期障害で、海馬や鹿茸などの補腎(ほじん)の漢方薬の効果がない場合には、「もともと神経症がある場合がある」 たとえば、海馬補腎丸や参茸補血丸など
また、耳鳴りでも耳鳴丸が効かない人は、緊張感が強いことが多い。
すべての問診のときには、病気が発症した理由を聞く。
耳鳴りの漢方相談 臨床例(1)
45歳の人→当帰を主成分にした婦宝当帰膠とストレスを緩和する逍遥丸、そして補腎の漢方薬の参茸補血丸とイーパオを服用して耳鳴りがきれいに治った。
耳鳴りの漢方相談 臨床例(2)
55歳の人→耳鳴丸などの補腎の漢方薬を使っても耳鳴りに効き目がない→本来は、老化とともに減っていく「腎精(じんせい)」を補っていけば耳鳴りや難聴は軽減するはずだが、症状が改善しない→ストレスにより肝気鬱結(かんきうっけつ)の緊張状態がとれない。
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43歳で不妊症の人。
独身だが結婚して妊娠したい。
卵巣嚢腫があり、漢方相談後2ヶ月後にガンだと分かった。
その2ヵ月後に手術をしたが、良性であった。
漢方では、ガンの対策も同時にやっていくと良い。
この症例は、初診の相談からガンも念頭においていたのが、功を奏した。
○白花○舌草→ガンの予防に
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疲れやすい人は、病院で一度検査したほうがいい。
糖尿病などもある。
漢方対策法は、補気剤で元気を補っていく。
○麦味参顆粒(生脈散製剤)→気陰両虚(すべての糖尿病にも使える)
○西洋人参→熱がこもるとき、神経質、舌が紅い人
○衛益顆粒→むくみにも良い、リンパの循環が良くなる。肌にも良い。
○シベリア人参→ロシアでは心臓病に使う
○香ロゼア→温性、高血圧の人には使わない
○チャガ→胃炎にも良い。
日本では香砂六君子湯はよく効く(イスクラ健胃顆粒として販売されています)
○酸棗仁湯→滋陰清熱
川弓は脳の血行を良くする。
だれでも更年期のときに使用できる。
※気の流れも良くしたほうがいい。
西蔵王高原ラインのハス池。
ステキな眺めです。
私は、こういう景色も大好きなんです。