土屋薬局ブログ|子宝漢方、痛みしびれ、気になる不調

土屋薬局ブログ。薬剤師・不妊カウンセラーの土屋幸太郎がお届けします。私自身、不妊体験を経て、漢方療法の力で子供に恵まれました。その経験を活かし、皆さんに健康で幸せな家庭を築くお手伝いをしたいと思っています。薬局には女性薬剤師も在籍し、気軽にご相談いただけます。健康に関するお悩み、不妊治療、妊活相談、痛みやしびれに関する漢方相談など、お気軽にご連絡ください。お問い合わせやご予約は☎️ 0237470033までお願いします。一緒に幸せな未来を築きましょう。

月経周期が短いことへの漢方対策(2)と高温期の下り物

月経周期が短いことへの漢方対策」を11月15日に作成しましたが、今日はその続編にあたります。

先日の漢方勉強会での内容です。

これは自宅にながら、ギンガネットで回線を結んで、お互いにテレビ電話で日本中を結んで勉強できるという「最新型漢方勉強会」なのです。

やっていることは、「中国4千年の歴史」の漢方ですが、利用する機材は「最新型IT」です。

なかなか、凄いシステムでして、わざわざ東京にまる1~2日の時間と経費をつぶして、しかも体も疲労困憊にならずにすむ良い勉強会です。

以前に東京の勉強会であった四国の先生は、飛行機で羽田に降りて、それから東京駅近辺まで電車で移動されているそうで、「1回東京に来ると、1週間は疲れがとれない」と言っていました。

ですから、今後ともIT技術の会議とか勉強会の頻度は増えてくるものと思います。

さてさて。

29歳の女性のかたです。

H子さんという名前にします。

初潮が12歳で、今現在の周期が24~28日周期です。

漢方相談をする前には、24~25日周期が続いていたのですが、S先生のお店で漢方相談をしてからは、

周期が28日周期になっています。

体型はやや痩せ気味で、すらりとした体型です。

血圧は低めで、ご本人様は自然妊娠を希望しています。

病院での検査はとくに問題ありません。

排卵誘発剤などの薬も服用していません。

基礎体温は、ギザギザが強く目立つ「波動型」のようです。

(「周期療法の基礎体温の読み方」も参考にしてみてくださいね)

各先生方のご意見を紹介します。

O先生

H子さんは、肝欝脾虚(かんうつひきょ)、陰虚(いんきょ)だと思います。

ですから、周期が短めになっているのだと思います。

補うことが大切です。

帰脾錠などが良いのではないか?

(注釈:「肝欝脾虚(かんうつひきょ)」とは、ストレスで胃腸が弱いこと)

K先生

卵胞期に補腎活血(ほじんかっけつ)をしてはどうか?

あとは、O先生とほぼ同意見です。

(注釈:「補腎」とは、精力をつけて「卵巣年齢」を若くすること。

活血(かっけつ)は、血行を良くすること)

K先生

気血(きけつ)が不足しているのではないか?

月経周期が短いことは、陰虚(いんきょ)傾向か?

卵胞期は、滋陰(じいん)したほうがいいでしょう。

このH子さんは、腹部の痛みや頭痛など全身の痛みなどを、よく訴えられています。

肝欝気滞(かんうつきたい)が、腹部の痛みにつながり、気滞血淤(きたいけつお)は、全身のあちこちの痛みにつながっているかも。

(注釈:「陰虚(いんきょ)」とは体の大切な精微物質が足りないこと。必要な栄養が足りないので、卵胞が未成熟のまま排卵するのではないか?ということです。痛みに関しては「通じざればすなわち痛む」ですから、気が詰まってくると、同時に血管も縮小して、淤血(おけつ)という血行不良になりやすく、組織に必要な酸素や栄養が行き届かなくなるので、痛みやしびれが発生してきます)

K先生

肝欝(かんうつ)の根本は、脾虚(ひきょ)ではないか?

H子さんは少し痩せ気味なので、体重が増えてくるといいのではないか?

(注釈:肝欝(かんうつ)とは、簡単に言えば、ストレスで気持ちや体の機能が萎縮していること)

O先生

H子さんは、肝欝(かんうつ)から肝気犯胃(かんきはんい)になっていると思います。

高温期のおりものが黄色いことは、感染症の疑いでしょうか?

土屋

1)S先生の漢方相談で、H子さんの周期が長くなったことは、漢方薬の選び方が適切だったと思います。

2)頭痛や腹痛などは、気滞血淤(きたいけつお)だと思います。

3)肝欝脾虚(かんうつひきょ)もありますから、胃腸も丈夫になると嬉しいですね。

中医学講師の先生の意見。

劉伶先生

H子さんは、便が硬いのは陰虚ではないでしょうか?

また可能性としては、淤血(おけつ)のときも便が硬くなりやすいです。

淤血は、便が黒いです。

ですから、漢方相談のときには「便の色」を聞いてください。

H子さんの浮腫みは、脾虚(ひきょ)や腎虚(じんきょ)が考えられます。

以前に、卵胞未破裂症候群(LUF)になったのは、卵が十分に大きくなっていないかもしれません。

問題点

1)高温期にオリモノが多い。

BBT(基礎体温)不安定。短い。

2)卵胞期短いこと。

排卵期が不明瞭。

オリモノは、子宮頚炎、子宮内膜炎があるかも?

病院で一度、きちんと検査する必要があります。

痰湿(たんしつ)のかたは、オリモノが多く、黄色で粘稠です。

高温期のオリモノは、1)陽虚(脾虚) 2)湿熱(しつねつ)

臭いが無く、水っぽい場合は、健脾利湿(けんぴりしつ)で補中益気丸などが良いでしょう。

または、二陳湯(にちんとう)+参苓白朮散(じんりょうびゃくじゅつさん)

臭いがあり、痒い場合は、清熱利湿(せいねつりしつ)で、補中益気丸や五行草がいいです。

×高温期には、竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)は体を冷やすので、黄色いオリモノであったとしても、湿熱(しつねつ)タイプであったとしても、使わないほうがいいです。

卵胞期が短いことの対策

卵胞期 初期…静─陰長

卵胞期 中期…静+動

卵胞期 末期…動

卵胞期が短いことへの対策は、気の固摂(こせつ)作用を生かして、補中益気丸が良いでしょう。

使用の目安は、半量くらい。

シベリア人参、香ロゼアも良い。

「渋味」を利用します。

「月経周期が短い漢方相談は、固摂すると同時に、動かすことがポイント」

劉伶先生のお客様は、そのような対策のもとに、ストレスも解消してリラックスして、周期も延長した結果、妊娠されたそうです。

参考)卵胞期が長めで疏肝(そかん)するときには、ストレスを緩和する漢方薬がよい。

さて、最後に山形も「雪降る日」が多くなってきましたので、近況を紹介します。

県道沿いから村山市の中心街の上に、奥羽山脈を眺める

12月4日撮影です。

「県道沿いから村山市の中心街の上に、奥羽山脈を眺める」です。

あまりに美しいので、車を安全な場所に移して撮影しました。

県道沿いから村山市の中心街の上に、奥羽山脈を眺める

収穫の終わった田んぼも、私の心に響きます。

右に見える街並みが楯岡市。

私が所属する神輿も、ここが本拠地です。

夏は「徳内祭」で盛り上がるんですよ。

この地域は、この風景を見ていてもお分かりのように、人間関係が熱くて、地域の結びつきが強いところです。

私の住んでいる神町(じんまち)は、昔から自衛隊さんとか工業団地などで転勤する人が多くて、人間関係が希薄というか、いい意味で他人に干渉しない「都市型」だと思います。

だから、神町にはふつうに関西弁でしゃべっている人とか、たとえば島根出身とか、けっこう全国の方が多いです。

「閉鎖的」ではなくて、「開放型」の町ですね。

県道沿いから村山市の中心街の上に、奥羽山脈を眺める

場所を変えての撮影です。

県道沿いから村山市の中心街の上に、奥羽山脈を眺める

田んぼ

そろそろ本格的な冬を迎えます。

冬将軍の到来を実感する今日この頃です。