おはようございます。
薬剤師、不妊カウンセラーの土屋です。
先週の漢方相談会は、近県と関東からのお客様のカップルが来店されました。
1組は、PCOSで体外受精を実施後、凍結融解胚を戻すにあたり、子宮内膜が厚くならず、キャンセルになった方のご相談。
もう1組は、おりもの、不正出血が慢性化している相談でした。
かなり専門的に特化した相談ですが、それぞれのカップルのお客様も喜んで帰路に着きました。
PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)のお客様は、エストラダームを3枚貼ってても、子宮内膜が5ミリで厚くならなかったそうです。
PCOSですから、採卵のときにも卵巣が腫れてしまい、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)になったこと。
次回は、自然周期で戻していくとのことでしたので、胃腸も悪い傾向にありますので、方針としては、
1)養血調経(ようけつちょうけい)
生理のリズムを整えて、女性に大切な血(けつ)を整えること。
2)消食導滞(しょうしょくどうたい)、疏肝健脾(そかんけんぴ)
胃腸を保護して、同時にストレス対策、基礎体温をきれいにすること。
3)補腎精(ほじんせい)、補陽(ほよう)
生命のエナジーを高め、体の冷え性を解消してお腹を温めていくこと。
舌ベロは、尖(さき)のほうが赤みがあり、ストレスによる心熱(しんねつ)。
少し歯型がついていて、胃腸も弱そうな感じでした。
子宮内膜が厚くなり、生理の周期も整って、凍結融解胚戻しが成功して頂きたいと願っています。
…
もう1組のかたの、「おりものが多い」「不正出血」の相談は、基礎体温と舌ベロを参考にしまして、一生懸命に考えました。
20代のかたですが、高校時代から「おりものが多い」「不正出血」を繰り返しています。
その都度、「おりもの」には、クラビッド、クロマイ膣錠。
「不正出血」には、ブロベラ、プレマリン、温経湯などが処方されていました。
舌ベロでは、舌の色が淡い感じで、きゃしゃな感じの気血不足(きけつぶそく)。
そして苔が白くて厚い感じでした。
痰湿(たんしつ)です。
胃腸が弱くて、過剰な水分の老廃物が溜まるので、「おりもの」の湿邪(しつじゃ)の特性として、下方に向かいますので、慢性的な「おりもの」に悩まされるようになります。
胃腸が弱いことは、同時に、脾胃(ひい)の摂血(せっけつ)機能、統血(とうけつ)機能が弱まるので、これも慢性的に不正出血を引き起こしやすいです。
漢方の対策は、
1)養血調経(ようけつちょうけい)
2)益気健脾(えっきけんぴ)、滲湿止瀉(しんしつしゃ)
→おりものを減らす漢方です。
舌ベロの白い苔が減ってくれば、効き目が上がってくるはずです。
3)お花の漢方
お花を集めた女性らしい漢方で、にきびや膀胱炎、カンジダなどにも効き目があります。
「おりもの」対策にお勧めしました。
「おりもの」「不正出血」に漢方が効いてくれればの一念です。
<まとめ>
体外受精においては、凍結融解胚戻しの段階からでも漢方相談可能ですし、また子宮内膜が厚くならない相談にも有効です。
「おりもの」「不正出血」は、中国漢方(中医学)では、系統的に治す手順が確立されていますので、お悩みのかたは当店にご相談してください。
<2008年1月27日 最上川三難所 「隼の流れ」>