後鼻漏の漢方薬でお鼻スッキリ!慢性副鼻腔炎、蓄膿症の改善効果に
今日は嬉しいことに山形市から新規の後鼻漏の漢方薬のご相談のお客様がお見えになりました。
副鼻腔炎、蓄膿症での後鼻漏の自分にあった漢方薬の相談でした。
後鼻漏とは鼻水が前に落ちて、チーンと鼻をかめずに後ろに落ちて喉に鼻水が降りてくる辛い症状です。
サラッとするよりも粘り着く鼻水です。
ちょっとここで後鼻漏(こうびろう)について入る前に鼻の構造や鼻の働き、副鼻腔、鼻づまり、鼻水などおさらいです。
<鼻の構造>
鼻の構造から説明していきますと、鼻は外鼻と鼻腔からなる気道の入り口です。鼻腔内は鼻中隔(びちゅうかく)によって左右にわけられます。
その鼻腔周囲の骨中の空洞を副鼻腔といいます。
これらの空洞は壁は粘膜におおわれており、鼻腔内の粘膜と副鼻腔内の粘膜とは続いています。
<鼻の働き>
人は1日に約2万リットルの空気を呼吸しています。
鼻は外部から取り込んだ空気に33℃以上の温度と80%の湿度を与えます。
鼻全体にある鼻毛は菌やウイルスをとらえるフィルターの役割をします。
鼻粘膜には線毛があり、異物を移着して侵入を妨げる働きがあります。
<鼻甲介(びこうかい)と鼻道>
温度を与える血流と湿度を与える水分を保持しています。
人体の防衛ラインを形成しています。
○ちょっと豆知識
熱くなったり、温まると鼻甲が広がり、鼻の通りが良くなります。
寒いと鼻甲が縮んでしまい、鼻づまりになります。
つまり体を冷やすような生活習慣をしていると鼻水や鼻づまり、花粉症になりやすくなってきます。
漢方薬では、生姜茶とか小青竜湯などの温性のものもよく使います。
<副鼻腔>
発音の響き、脳を守るなどの働きがあります。
上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞
副鼻腔は細かい孔で鼻腔に通じていて、鼻呼吸をすることで空気の交換を行う。
副鼻腔も鼻腔と同様に線毛をもつ粘膜で覆われ、侵入してきたほこりや微生物を女記する。
<副鼻腔の開口部>
上鼻甲介、中鼻甲介、下鼻甲介の間の空気の通り道を上鼻道、中鼻道、下鼻道といいます。
下鼻道には鼻涙管が開口しています。
鼻涙管は気圧の調整です。
飛行機に乗ったときなど働きます。
鼻の片方には6つの孔があり、+外鼻孔=7個の孔(片側) 両方で人間の鼻の孔(穴)は14個あることになります。
<鼻づまりはなぜ起こるのか?>
疾患によるもの
- 鼻炎:急性鼻炎、慢性鼻炎、アレルギー性鼻炎などによる鼻づまり
- 副鼻腔炎:急性副鼻腔炎、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)などによる鼻づまり
- 鼻中隔湾曲症による鼻づまり
- 腫瘍:鼻腔、上顎洞の腫瘍による鼻づまり
- その他:鼻茸による鼻づまり
<自律神経の乱れで鼻づまり、鼻水は起こりますか?>
鼻腔の交感神経働き:鼻粘膜の血管収縮と鼻汁分泌を抑制
鼻腔の副交感神経の働き:血管の拡充と鼻汁分泌を増加
副交感神経の過剰反応:鼻粘膜の血管が拡充すると粘膜が腫れて鼻づまりを起こしやすくなります。
鼻汁分泌が増加して鼻水がでます。
夜に寝るときに鼻づまり
夜は血管を支配する副交感神経が活発になるので、血管が拡張して鼻の中は瘀血になりやすい。
<後鼻漏(こうびろう)>
風邪やアレルギー性鼻炎ではサラサラの鼻水が前方からでる。
これに対して副鼻腔炎では粘り気のある鼻水が、鼻の奥からのどに向かって流れる。これが後鼻漏です。
後鼻漏の約8割が副鼻腔炎が原因。
<後鼻漏の原因>
- 慢性副鼻腔炎(蓄膿症)による後鼻漏による後鼻漏
- アレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎による後鼻漏
- 慢性鼻炎による後鼻漏
- 自立神経失調症、全身疾患による後鼻漏
- 鼻の内部の腫瘍:ポリープなどによる後鼻
とくに鼻水が臭うようなときには副鼻腔炎の可能性が高いでしょう。
<後鼻漏の症状と対応>
- 鼻水が喉の方へ流れる、鼻づまり、喉のイガイガ
- 咳、慢性の痰、口臭、慢性気管支炎、肺炎、食道炎、慢性胃炎などの原因にも。
中医学では「肺」「脾」「腎」の働きが低下しているから。
免疫力の低下、体に余計な水分がたまりやすい。
体質改善では、後鼻漏の漢方薬の体質改善には大量の鼻水が発生する根本の原因を治療することが大切
<後鼻漏の中医学、漢方薬の体質タイプ別>
- 脾虚(ひきょ)タイプ…胃腸の弱り
- 風邪侵入タイプ…風邪など
- 肺気虚タイプ
- 痰熱(たんねつ)タイプ
- 腎虚(じんきょ)タイプ
1)の脾虚タイプの後鼻漏タイプ
胃腸が弱く痩せていたり、下痢や軟便になりやすかったりします。
また便秘がちの方もいます。または下痢や便秘を繰り返すタイプなどさまざまです。
脾胃、とくに脾は消化吸収をつかさどります。
「肺は貯痰の器、脾は生痰の源」という言葉、中医学の鉄則もあるくらいで咳や喘息、鼻水、鼻炎、痰、後鼻漏などが長年に渡り、慢性的に治らない場合には、胃腸経の脾の弱りがベースにある場合があります。
湿疹なども文字通りに「湿邪」が入っていますから、長年のアトピー性皮膚炎などが治らない場合にはこの脾胃の胃腸のことも考慮するべきです。
後鼻漏の漢方薬的な体質改善にはまさに最適な臓器が「脾」といえます。
2)風邪侵入タイプの後鼻漏
病原菌や風邪のウイルス、花粉症のような外部の要因、季節性のアレルギー性鼻炎、アレルギー性疾患も含めます。
一般的に「寒(かん)」の症状があれば透明な鼻水です。
冷えていると、空気の通り道の関係で透明な鼻水になりやすいのです。
日本人は身体をミニスカートで冷やしていたり、足元に靴下を履かないでサンダルで歩いたり、冷えやす傾向にあります。
容易に冷たい飲み物も過剰に摂取しやすいです。
子供から大人まで身体を冷やしているのでアレルギー性疾患が治りにくいです。
冬でも冷たい氷水などで胃腸や身体を冷やすから免疫力も低下しがちです。
後鼻漏が治りにくいです。
3)肺気虚タイプの後鼻漏
肺は鼻や皮膚と密接に関連している臓器です。肺は皮膚呼吸していますから、鼻と皮膚、肺の関係は大切です。
また中医学の五行説では、土→金 土から金が生まれる。土の中には金が入っている。とありますように、脾と肺の関係は母子関係です。脾が弱ければ、肺も弱くなりがちです。 肺は免疫力、抵抗力の臓器です。
身体を華麗な「蓋」のように守っているバリア機能がありますから、肺が弱くなれば後鼻漏や蓄膿症、アレルギー性鼻炎などになりやすいという訳です。
4)痰熱(たんねつ)タイプの後鼻漏
1つは飲食です。辛いもの、お酒など摂取が多いと湿熱(しつねつ)になりやすく鼻水が黄色くなりがちです。
また慢性の長期間に渡るストレス過剰も「枢軸」である、つまりドアの蝶番のような「要」の「肝胆」の軸が熱を帯びて、鼻水が黄色く、ドロドロとしてきやすいのです。
イライラしないようにリラックスすることも大切です。
5)腎虚タイプの後鼻漏
腎とは五臓の「元気」の源、木でたとえると「根っこ」に相当します。
長年の肺や鼻の疾患、皮膚病などが治らないときには「腎」の問題が根底にあるケースがあります。
五行でいえば、金(肺)→水(腎) の関連性もあります。
金脈のあるところには水源がある。ということです。
肺や花粉症、後鼻漏、蓄膿などは、下半身の腎も関係性があります。
これは、老化しているエイジングの腰痛、膝の痛み、だるさなども関係していきます。
さて本題に戻ります。
お客様は今年の1月に風邪を引いたことがきっかけで後鼻漏、副鼻腔炎になってしまい、この7月1日現在でも治っていないそうです。
生活のリズムは缶チューハイが好きだそうです。
お腹や体を冷やすことも後鼻漏、副鼻腔炎、後鼻漏になりやすいです。
なるべくお刺身とか冷たい飲食物、氷水のようなものは控えていきます。
冷えていると花粉症にもなりやすいですし、鼻の症状が治りづらいです。
舌べろはぼてっとした感じで淡い色。これは気虚(ききょ)という証です。
気虚とは体のバリアが弱いので風邪をひきやすい、疲れやすい、低血圧、朝に弱いなどの特徴があります。
後鼻漏の体質改善では最初から脾の気陰(きいん)を補う漢方薬を使う方法もありますが、まずは蓄膿症、慢性副鼻腔炎の後鼻漏に効く改善作用のある漢方薬と首から上の鼻や目をスッキリさせる漢方薬の2つで様子をみてもらうことにしました。
後鼻漏への評判、効き目に優れた漢方薬の組み合わせです。
その後、8月2日に後鼻漏の漢方薬相談でご来店くださりました。
「後鼻漏の漢方薬」を続けているときには、鼻水が後ろに落ちることなく非常にスッキリとしていたそうです。
「お腹の張り」など胃腸のほうも気になるとのことでしたので、今回は前回の鼻をスッキリさせる漢方薬2種類に+体質改善の脾の気陰を補う漢方薬を追加で体質改善のためにお勧め。
その後は9月にご来店。結果的に「後鼻漏の漢方薬」で後鼻漏は完治したそうです。
スッキリして漢方薬で治ったので感動しているそうです。
なお土屋薬局にわざわざ山形市から漢方薬相談に来店されたきっかけはホームページ、ブログだそうです。
「しっかりと後鼻漏や副鼻腔炎など中医耳鼻科の漢方薬、中医学も勉強されていらっしゃるから」と嬉しいお言葉を頂戴しました。
追記です。
後鼻漏、耳鼻科の治療法では抗生剤、抗生物質を必ずマストで処方されます。
お客様、2月に2回とも抗生物質で下痢して飲めなかった。
3月は後鼻漏、副鼻腔炎の治療をお休みして再度4月に抗生物質を服用したらまた下痢して、結局は耳鼻科での治療法を諦めたそうです。
気虚(ききょ)の体質は胃腸が弱いことも特徴です。後鼻漏はなかなかいい治療法がないので困っている方も珍しくないのではないでしょうか?
土屋薬局では中医五官病の目や耳、鼻、口、喉などの漢方薬相談も真剣に勉強して実践しています。
お困りの場合には遠慮なく漢方薬相談、山形県東根市の土屋薬局までお寄せくださいね。(^-^)/
アレルギー性鼻炎の鼻水、鼻づまりに「漢方」お鼻スッキリルール
こちらのコラムも参考になりましたら、幸いです。
鼻の病気といえば春先の花粉症が有名ですが、春先に限らずに土屋薬局では鼻の病気で悩む方々からの多くの漢方相談が寄せられています。
鼻づまりで食べ物の匂いがわからない(嗅覚障害)、食事がおいしく感じられない(味覚障害)、鼻づまりで集中力欠けて勉強に専念できない。いつも鼻水がでてティッシュが手放せない、通年性のアレルギー性鼻炎で辛いなど…
これはとても深刻な悩みで実際に生活に支障をきたしています。
まず鼻の不快感を改善することが明るく楽しい生活への第一歩になります。
生活の質、QOL(クオリティー・オブ・ライフ)を上げるためにも鼻をスッキリさせましょう!
漢方薬相談は山形の土屋薬局まで
以上、「後鼻漏の漢方薬でお鼻スッキリ!慢性副鼻腔炎、蓄膿症の改善効果に」でした。
土屋薬局 山形県東根市神町中央1-10-7
電話相談室 0237-47033 または 0237-48-2550
jdy00247.hatenablog.com
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土屋薬局 中国漢方通信/女性のための親切な漢方相談
気虚体質の説明はこちらです。
土屋薬局 中国漢方通信/女性のための親切な漢方相談
2016年7月4日 東根市神町さくんぼ保育所の紫陽花が綺麗でした。