漢方薬局における不妊相談について~漢方相談薬局・薬店の活用法~
2024年5月12日に東京一橋ホールで日本不妊カウンセリング学会のシンポジウム「中医学・漢方による不妊カップルへのサポート」が開催されました。
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さて今回はその続きになります。
①漢方薬局における不妊相談について~漢方相談薬局・薬店の活用法~
わたしと一緒に高円寺中医学研修塾で中医学を切磋琢磨して習った東西薬局の猪越英明先生のお話でした。
日本中医薬研究会の会員店はおのおのが中医学を学び、また最新の生殖医療に関することを学んでいます。中医学の知恵やその核となる「整体観」「弁証論治」が「妊娠しやい体づくり」にどのように役立つか、また会員店での血流改善のための漢方薬や生殖能力や向上を目的とする動物性生薬などについてを話していきます。
そのような趣旨の講演でお客様への話し方などもとても参考になりました。
②中医学トピック 日本不妊カウンセリング学会第23回学術集会参加報告
令和6年5月12日(日)の日本不妊カウンセリング学会の第23回学術集会では、「中医学・漢方による不妊カップルへのサポート」がテーマでした。今回は漢方薬局の先生方や産婦人科医の先生たちの講演で、体外受精と漢方の併用例などを学びました。聴講の中で、亀板、鼈甲、鹿茸を使用した漢方の補腎製剤が妊活に効果的であることが強調されました。
妊娠には衝任脈と督脈の3つの奇経八脈が大切であり、衝脈には亀板、任脈には鼈甲、督脈には鹿茸が役立つとのことです。
人間には通常の経絡が通っていますが、それらがしっかりと足りていないと奇経八脈の衝任脈や督脈などには特に栄養がいきません。つまり、ざっくりといえば、体力が足りていない場合には、妊娠や妊娠を維持する力の経脈が弱いことにつながるということです。
また、私と一緒に高円寺中医学研修塾で学んだ東京の漢方薬局の先生の講演では、不妊の患者さんに鹿茸製剤を勧めていたところ、不妊クリニックで特段なにもしなくてもぐんぐんと卵巣や子宮の状態が良くなった患者さんがいました。
婦人科の先生が不思議に思って「なにかやっていますか?」と問い合わせたら、「鹿の角の漢方薬を飲んでいます」との回答だったそうです。興味をもったお医者さんがその漢方薬局に行き、実際にその商品を購入して自分自身でも愛用してみてから、困った患者さんなどを漢方薬局に紹介しているとのことでした。
クリニックの診察で「野菜だけの鍋と、野菜とお肉が入った鍋だと、お肉が入った方が疲れが取れるでしょう」と患者さんに説明し、漢方薬局で鹿茸製剤などの良さを伝えているそうです。
今回、思い切って上京しましたが、最新の知識なども得て、非常にためになった2日間でした。
③「妊娠しやすい体つくりを支える薬膳」
もうひとつの受講した講演では「妊娠しやすい体つくりを支える薬膳」こちらは乾先生のお話でしたがとても勉強になりました。
月経周期にわけて食事をかえていくという方法でした。
全周期は補血、補腎を。月経期には行気活血を。低温期には滋陰益精を。排卵期には補陽活血、排卵促進。高温期には補気温陽を目指していきます。高温期には干しエビ、ニラ、卵、山芋、クルミ、龍眼肉を食べるなどです。
この考え方にはとても勉強になりました。
薬食同源でもありますから、食事もしっかりとしていきたいものですね。