7月3日になりました。
7月は十二壁掛によりますと、陰気が増してきている季節です。
周易の六十四掛では、「否(ひ)」に相当します。
この易経での解説、条文を読んでいますと、最初は
「否はこれ人にあらず。君子の貞に利ろしからず。大往き小来る。」
とあります。
乾(けん)の天が上、坤(こん)の地が下にあってバランスがとれているように見えて、天と地が実際にはかけ離れてしまって陰陽が通じていない状態です。
中医学的な立場からしますと、「否は否塞、ふさがって通ぜぬこと。」
つまり、通じていない状態は人ではない、正常な気血の運行ではないと読めます。
「通じざればすなわち痛む」という格言を思い出したり、なるほど易経と中医学は関係あるんだなあと思った次第です。
これは生理痛の時には、生理中は活血剤を使って流れを良くして生理痛を軽減したり、リウマチや腰痛、座骨神経痛のようなときにも気血(きけつ)の流れをスムーズにすることが大切に関係します。
易経の話題に戻りますが、九五、つまり下から5番目のマークはーで陽で通じていて、五番目は陽のほうが正ですから、これはいい掛けなのですが、解説書には「有得の大人(たいじん)ならばこの地位に居て吉である。ただし治に居ても乱を忘れてはならぬから、亡びるかもしれないぞ、亡びるかもしれないぞと自戒して包桑(桑の木のねもと)に物をつなぎとめるように、行動を堅固にせねばならぬ」とあります。
中医学、中国漢方では桑はかなり応用範囲が広いです。
咳止めみたいには桑の葉っぱを。
補腎には、桑の実の中身を。桑椹(そうじん)と言われています。
桑の根茎の皮は桑白皮(そうはくひ)と言います。
古来から桑は蚕を飼ったり、私たちの生活と密接だったんだなあとつくづく思います。
ちなみに桑椹はブルベリーの味とまったく一緒で感動します。
実は栄養がいっぱい詰まっています。
さて易経の包桑とは、易経にはこの条文だけに登場しているそうです。
桑は根元まで役立つのかとちょっとした豆知識でした。
あと解釈が違うと「桑の根元は案外、しっかりしていないので、、、」という読み方もあるそうです。
同時代の古典には、包桑という文字は他にも出典があるそうです。
ではでは、皆様の良い7月を油断大敵になりませんように、元気でお過ごししてください。