ブログ版土屋薬局 中国漢方通信

土屋薬局ブログ。薬剤師・不妊カウンセラーの土屋幸太郎がお届けします。私自身、不妊体験を経て、漢方療法の力で子供に恵まれました。その経験を活かし、皆さんに健康で幸せな家庭を築くお手伝いをしたいと思っています。薬局には女性薬剤師も在籍し、気軽にご相談いただけます。健康に関するお悩み、不妊治療、妊活相談、痛みやしびれに関する漢方相談など、お気軽にご連絡ください。お問い合わせやご予約は☎️ 0237470033までお願いします。一緒に幸せな未来を築きましょう。

風邪とせきの漢方相談

おはようございます。

薬剤師の土屋です。

 

今日は風邪の漢方相談の話題です。

Sさまは、66歳で小柄で痩せています。

風邪を2週間ひいています。

特徴は2つあります。

 

1)のどの痛み、イガイガ、もさもさとした感じで痒さがあります。

2)咳。日中も夜も痰がでます。白っぽい痰です。

 

熱や、関節の痛み、寒けなどはありません。

降圧剤、片頭痛治療薬、骨粗鬆症の薬を普段から服用中です。

 

食欲あります。通じは正常です。

耳鼻科でも検査しましたし、大学病院でも精密検査もしましたが、いつも異常はありせん。

もう何年も、風邪をひきやすくて困っているそうです。

相談中も、咳をごほんごほんとしています。

 

大学病院の先生にも、本当は鎮咳薬など処方したくなくて、「あなたには漢方が向いていると思う」と言われたそうです。

のどの痛みには、漢方では「涼解楽(りょうかいらく)」または「天津感冒片(てんしんかんぼうへん)」が向いています。

風熱(ふうねつ)と呼んでいて、葛根湯(かっこんとう)の証の背中がゾクゾクする寒けのある風邪ではありません。

風熱(ふうねつ)証の特徴は、「のどの痛み」が特徴です。

 

風邪早く治そう」でも説明していますが、「のどの痛み→風熱(ふうねつ)→涼解楽または天津感冒片」のルールです。

次に考慮するのは、高齢の方の慢性の咳です。

 

高齢で小柄で痩せている場合には、陰虚(いんきょ)という体質がベースになっています。

ご隠居さん=陰虚(いんきょ)と平たく考えてもらってもかまいませんので、高齢者=陰虚(いんきょ)とします。

 

陰虚(いんきょ)とは、しばし五臓の肺(はい)と腎(じん)の陰虚、つまり肺腎陰虚(はいじんいんきょ)になりますので、肺が乾燥する感じ、肺の潤い不足で、慢性の咳や、切れにくい痰などを引き起こします。

 

肺を潤せば、咳や痰が解消してきますので、潤肺糖漿(じゅんぱいとうしょう)という、「肺を潤して、咳や痰を鎮める処方」が解決に役立つはずです。

という思考回路で、涼解楽と潤肺糖漿の2つを選んでお勧めしました。

効き目があることを願っています。

 

東根市野川 「冬の散歩道」

<2008年2月18日 東根市野川 「冬の散歩道」>

 

東根市野川 「冬の散歩道」

 

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