ブログ版土屋薬局 中国漢方通信

土屋薬局ブログ。薬剤師・不妊カウンセラーの土屋幸太郎がお届けします。私自身、不妊体験を経て、漢方療法の力で子供に恵まれました。その経験を活かし、皆さんに健康で幸せな家庭を築くお手伝いをしたいと思っています。薬局には女性薬剤師も在籍し、気軽にご相談いただけます。健康に関するお悩み、不妊治療、妊活相談、痛みやしびれに関する漢方相談など、お気軽にご連絡ください。お問い合わせやご予約は☎️ 0237470033までお願いします。一緒に幸せな未来を築きましょう。

チョコレート嚢胞で体外受精の漢方相談。卵巣反応不良、採卵が難しい

薬剤師、不妊カウンセラーの土屋幸太郎です。

山形県東根市神町の土屋薬局では日頃から不妊症の子宝の漢方相談が数多く寄せられています。

多くのお客さまに喜んでいただいています。

病院での不妊治療がうまくいかないことで西洋医学一辺倒から東洋医学不妊症への漢方パワーを期待されるお客さまが増えてきました。

最近は、この地方特有の農繁期で日中は、ゆっくりとしていることが多いのですが、夕方から閉店にかけまして忙しくなりました。

その中の一人に、子宮内膜症でチョコレート嚢胞もあって、不妊治療を頑張っているものの体外受精でなかなか採卵が難しい漢方相談のお客様がいらっしゃいます。

不妊症の子宝の漢方相談です。

片方の卵巣が反応しないので、通常よりもハンディを背負っています。

「このまま卵が採れなくなったら、どうしよう」という不安も常に付きまとうそうです。

以前の不妊学会の分科会で聞いた、アメリカでの卵子提供、代理母による不妊治療の現実などの話にも脱線したりもしました。

卵子提供は、たとえば「アジア系アメリカ人」の卵はいくらなどと金額が決まっていたりするのです。

いろいろと深い話をしていて、また話は脱線していきます。

漢方のほうでは、今まで活血化淤(かっけつかお)といって、どうしても子宮内膜症、チョコレート嚢胞(嚢腫)というと、淤血(おけつ)に意識が向きがちですが、これからの体外受精の採卵に向けて、「クラシカルな漢方処方」に切り替えることにしました。

今までの処方は、たとえば、

○養血調経(ようけつちょうけい) ○活血(かっけつ) ○活血(かっけつ)

という感じで、活血化淤(かっけつかお)に偏り勝ちだったのですが、これからは、

○養血調経(ようけつちょうけい) ○健脾(けんぴ) ○補腎(ほじん) ○活血(かっけつ)

という「王道」の中医学の難治病に対する基本処方を組んでいくことに決定しました。

ちょうど相談している最中に、先週、アトピーの皮膚の痒みで立ち話程度でしたが、気軽に漢方をお勧めした方が「やはり言われたように、効き目が良くて、お肌が良くなりました」と20代前後の女性の方が来店されましたので、その方にお勧めした漢方は、「胃腸を丈夫にしてお肌をスベスベにする漢方」ですから、ひらめきまして、相談しているお客様にも「お肌がスベスベになるということは、卵胞ホルモンのエストロゲンの分泌が良くなっているということですから、採卵のときの卵胞の発育にも有利に働きます!」とお勧めさせて頂きました。

人間が、りんごの木になったとしたら、「胃腸」は「畑」に相当しますので、不妊などの子宝相談にも意外に役立つのです。

同時に、最近1ヵ月半とか2ヶ月くらいの漢方の服用で「形勢逆転」しているお客様たちも多くなってきましたので、よく分析してみれば、徹底的に「補腎(ほじん」もしている訳です。

これも人間をりんごの木にたとえるところの「根っこ」に相当します。

「根っこ」は、体の「元気」「精力」「若さ」「生殖」の象徴です。

クラシカルな王道の処方は、健脾(けんぴ)・補腎(ほじん)そして、補血・活血(ほけつかっけつ)につながっていきます。

話は続いていきます。

「最近、私は『愛』について勉強しています。(笑)」

「『愛するということ』という本の一説に、以下のような文章がありました」

「人類全体の誕生にしても、個人の誕生にしても、人間は誕生と同時に、本能が支配する明確な世界から、不明確で、不安定で、開かれた世界へと投げ出される。確かなのは過去についてだけで、将来について確かなことといったら、死ぬということだけだ。」

「つまり、次の採卵もまだ駄目と決まった訳ではありませんし、今回から処方も変更しましたので、より効果が上がってくる可能性もありますから、頑張りましょう!私たちは、どこからか生まれてこの世にやって来て、そして将来の確実な決定事項は『死ぬこと』だけですから、採卵の数や卵の質がどうなるかは予測がつきません。良い結果になる可能性も十分にあります!」

「そうですよね~」とお客様の目は、キラリと光りました。

ということで、農繁期の続いている山形で繰り広げられた漢方相談の話でした。