お客様より、漢方相談を受けました。
産後2か月、おっぱいが慢性的に石のように硬いゴツゴツしたしこりが何個できてもとれない、母乳分泌がかなり悪くひどい肩こりもある。
産後1か月ごろから、しこりはだんだんひどくなっている。
母乳分泌不良、母乳分泌不足のときに肩こりや冷え性がある。
母乳外来に行くと乳腺炎の一歩手前と言われています。
つまりをとってもらっても、おっぱいのしこりはとれず。
母乳分泌と肩こりを良くしていきたい。
というご相談で、恩師の中医師の劉先生に漢方対策方法をいろいろとお聞きしました。
私のメモ書きの清書です。
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A)初期の段階
おっぱいのトラブルには肝鬱(かんうつ)が関係しています。
乳房は肝経と関係があります。
逍遥丸で疏肝して(8丸くらいで効き目がある)+活血剤
痛みがあるようなときには、田七人参を。
なかったら丹参製剤(たとえば冠元顆粒)で行気活血 1包×2回
水蛭製剤もいいです。5錠×3回
軟堅散結を目指します。
もし水蛭製剤だけだったら、7~8錠を1日3回。
漢方薬は母乳を与えているときでも赤ちゃんには影響しません。
(加味逍遥散は下痢するかも)
日本は産後の養生がダメで、出産のときには気血(きけつ)不足があるので、当帰主体の漢方に生脈散製剤などお勧めです。(たとえば婦宝当帰膠と麦味参顆粒の組み合わせはお勧めです)
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B)炎症があるようなとき
母乳のつまり→炎症→熱 乳腺症
その場合には清熱解毒が必要。→タンポポやスミレの花の成分(五涼華)など、銀翹散製剤など。
これらは「赤い」「熱い」などの症状の改善に消炎作用が期待できる。
腫れている感じが強い、場合によっては麦芽を炒ったものでおっぱいを減らしていきます。
<2010年11月3日 パリからバスで約3時間 車に揺られて感動のモンサンミッシェルが見えてきました>
モンサンミッシェルは妻がその存在を知っていて、私は何も知らなかったので結婚しなかったら、この地にも一生来なかったと思うと感慨深いです。
北フランスの土地全体が素敵な感じでした。
余談ですが、小澤 征爾さんの著作 「ボクの音楽武者修行」でも体調を崩してしばらく北フランスの修道院で働かせてもらったら、すっかり心身ともに元気になった。と書いてあって、やっぱりパリからは北フランスってモンサンミッシェルとか修道院などのイメージがあるのだなあと思いました。
暖房も何もなくて寒いから一日必死に労働しなければならないので、その作業がメンタルにもよく効くそうです。
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○2012年4月19日追記です。
先週にお客様から、産後のおっぱいの相談を受けましてしこりが乳首の上にできているとのことでした。
産後3ヶ月で右胸にしこりが3週間。
しこりが出てから2回ほど熱がでています。
この2か月間ではおっぱいが詰まって乳腺炎で熱がでたことが5回あります。
という漢方相談でして、知り合いの中医学、漢方に詳しい中国人に五味消毒飲(ごみしょうどくいん)を教えてもらったのが当店への漢方相談のきっかけとおっしゃっていました。
国境を越え、良いものは日中変わりないんだなあと素直に思いました。